津田晴香

【『みぽりん』インタビュー特集・中編】キャスト、それぞれの人生。

関西発でみぽらーと呼称されるファンが誕生するなど、ファンの後押しで盛り上がっている映画『みぽりん』が、2019年12月21日より、いよいよ東京上陸を果たす。その本作のこれまでの“みぽりん現象”を、キャストの立場でどう感じてきたのか、それぞれのテーマで、前編・中編・後編の3部作でインタビュー特集をお届けする。

【中編】自身の人生振り返り。映画『みぽりん』に出演しての環境の変化

<Index>
▼垣尾麻美(かきおあさみ/主人公・みほ 役)
▼合田温子(ごうだあつこ/マネージャー・相川梢 役)
▼津田晴香(つだはるか/監禁される音痴なアイドル・神田優花 役)
▼井上裕基(いのうえゆうき/プロデューサー・秋山 快 役)
▼近藤知史(こんどうともふみ/オタク・加藤淳 役)
▼mayu(まゆ/木下里奈 役)

▼垣尾麻美(かきおあさみ/主人公・みほ 役)

垣尾麻美

垣尾麻美

Q1.現在の仕事

垣尾麻美
所属している澪クリエーションが、昔通っていた声優の養成所の系列ということで、そこで7年くらい講師をしつつ、澪クリエーションの仕事もしています。

Q2.役者のきっかけ

垣尾麻美
昔から漫画とかアニメが大好きで、元々は声優を目指していました。
した。子どもの頃は声優という存在を知らなくて、アニメの中の登場人物たちみたいな感じでしたが、ある時、声優さんの存在に気づいて興味を持ち始めました。
OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)で、声優さんたちの座談会の映像を観た時に、とても楽しそうで、声優という職業は素敵だなと思いました。
18歳くらいに、進路をどうするかっていうときに、親に「声優になりたい」っていったら「(西友・SEIYU)デパートに勤めるの?」って言われました(笑)

母親は、ドラマを観ますが、父親は興味がなく、声優とは何かを説明するところから始まって、とりあえず短大は出ておけという話になって、大阪なり、東京に出ないと夢は追えないなということになりました。そこで、短大に通うという名目で出てきて、養成所に通う学費を学生時代に貯めて、短大を卒業してからは、自分でやるからと養成所に通い始めたという流れです。
それがなぜ役者になったかっていうのは、その養成所を経営されていた方が、舞台・役者出身の方で、当時は劇団を持っていたからです。舞台にも興味を持ち、劇団に入って、そこで声だけでない表情だったり表現に楽しみを見つけて、今に至っています。

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▼合田温子(ごうだあつこ/マネージャー・相川梢 役)

合田温子

合田温子

Q1.役者のきっかけと、映画『みぽりん』出演に至るまで。

合田温子
声優になりたいというのが一番にあって、小学校の卒業アルバムの将来の夢にも、声優のことが書いてあるんですけど、“優”の漢字が書けなくて、何を勘違いしたのか“せい声”って書いているんです。それが死ぬほど恥ずかしいです(笑)
なんで指摘して直してくれなかったのか、担任の先生に根を持っています(苦笑)
今は“難波のバズーカ砲”と呼ばれていますが、意外と現実主義なんです。
18歳の頃、声優が人気の職業になり始めた時期で、専門学校の体験入学にもたくさんいったのですが、そこですごい勢いで勧誘されたことに、急に怖くなってしまって、授業料も高いし、必ずしも声優にはなれない現実も考えてしまって、一旦、大学に通う道を選びました。そこで、貯金が得意だったので、大学時代に貯めた自分のお金で養成所に通えるし、やらなかったことを後悔しないために、たとえ、声優になれなくても、なりたかった自分の気持ちを昇華させるために養成所に通いました。
養成所に通いながら、卒業後は正社員として就職して、事務所に所属するときも、生活のために正社員を続けることを確認して続けていたのですが、休みの日に合わせてだけの仕事をいただくのは難しく、事務所に専念しようと思った時にいただいた仕事が『みぽりん』でした。ありがたいことだと思っています。

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▼津田晴香(つだはるか/監禁される音痴なアイドル・神田優花 役)

津田晴香

津田晴香

Q1.映画『みぽりん』出演に至るまで。

津田晴香
『みぽりん』の出演が決まった2018年は、私は澪クリエーションの新人1年目でした。入所した年に出られることになったんです。
養成所で、稽古としてお芝居をしていましたが、お仕事としての演技をやったことがなくて。
やりたい半面、機会がなかったので、お話をいただけたときは本当にうれしかったです。

Q2.役者のきっかけ

津田晴香
私は自分自身をあまり好きではない、マイナス思考なところがあります。
高校時代に映画監督になりたい友達がいて、その子と一緒に自分たちで映画を作ったりしました。お芝居だったら自分じゃない人になれるし、いろんなことが経験出来て面白いなって思いました。
私は、人の笑顔を見ること、楽しませることがとても好きです。エンターテインメントの道に進みたいと思ったんです。
受けた養成所は声優がメインなのですが、上級クラスに上がるまで、声だけの演技ではなく、ずっと舞台形式でお芝居をやっていました。そこで、舞台って面白いと思い、上級クラスに上がる頃には、自分の身体を使った舞台やお芝居もしたいと思って、今の事務所に入りました。
養成所時代は、練習発表会はありましたが実際の舞台に上がったことはありません。
自分のお芝居を養成所の別のクラスから観に来てくれる人の中に「心動かされました。楽しかった」と言ってくれる人がいて、心動かすお芝居をできるようになりたいという思いは今も変わりません。
観ている人の心に残る・残せるようなものを表現していけたらいいなと思っています。

Q3.『みぽりん』出演で変わったこと、将来像

津田晴香
やりたいことが広がりましたね。チャンスを与えられているなと思っています。
『みぽりん』に出演するまで、インディーズの映画って全く観たことがなかったんです。むしろ映画もそんなに観るタイプではありませんでした。
インディーズ映画って、その監督が撮りたいものを撮っているじゃないですか。だから、とてもエネルギーとか勢いもあるし、その人のエネルギーを感じる。
こんな面白いものを知らなかったんだなと思って。今のタイミングで知ることができてよかったです。
インディーズの映画って刺さるというか、苦しくて。息できなくなるくらいになる。
万人受けする映画ではないものもあって、だからこそという良さがある。インディーズ映画っていいなって思いましたね。

インディーズ映画って、マニアックだったり、映画通が観に行くものっていう考えがありました。実際はそうではなくて、学生向けの映画もあるし、商業映画と変わらないことをやっている作品もあるし、もっと若い人をはじめとして、もっと観て欲しいなと思います。
自分の周りにはミニシアターに行く人が全然いないですし、映画自体を観ている人がいないです。
監督や出演者と話せる機会があるのが、インディーズの良さだと思います。
観終わった後に、お話が出来るって、まずないですからね。観た感想を直接作り手に伝えられるって、すごい素敵なことだなと思っています。

Q4.ラジオDJについて

津田晴香
『みぽりん』の撮影の頃にラジオDJのお仕事のお話がきました。自分の番組を持つだなんて考えたことがなかったです。当時は自分を話下手なタイプだと思っていて、2時間半のラジオなんて無理だろうと思っていました。
今年の4月から始めて、地方のラジオ局なので、その地域以外はアプリでしかきけないので、リスナーも少ないと思いますが、みぽりんを通して私を知って下さった方が聴いてくださっていることが嬉しいです。

津田晴香

津田晴香

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▼井上裕基(いのうえゆうき/プロデューサー・秋山 快 役)

Q1.現在の仕事

井上裕基
ナレーションが多いです。顔出しのお仕事もリポーターとか、ちょっとしたお芝居のある映像のお仕事とかをしています。司会とか、なんでもやっています。

Q2.今の仕事のきっかけ

井上裕基
もともとは、大学時代に写真を勉強していました。
趣味で音楽のDJをやっていたり、機材を介さずに身体一つで表現できる人に憧れがあって、それがいろいろと結びついて、声のお仕事を目指そうと思いました。大学で学んでいたことから舵を切って、声やお芝居のお仕事をしています。

Q3.『みぽりん』出演で変わったこと

井上裕基
僕はまだ大きくは変わっていませんが、自分の中での成長は感じています。
環境はまだ変わっていない。変わるといいなというところです。
連日、舞台挨拶をさせていただいたりとか、感想をもらえたりとか。自分の意識が変わっていっています。人前で毎日話させていただいて修行になっていて、意識とともに成長させてもらえていると感じています。

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▼近藤知史(こんどうともふみ/オタク・加藤淳 役)

Q1.役者のきっかけ、現在の仕事

近藤知史
大学生の頃に社会人劇団に所属していました。劇団にラジオドラマの依頼があって、主役を演じた時に、声だけの表現で、耳だけで聴いて想像してもらう自由さって良いなと感じました。
そこから舞台芝居も続けていたのですが、メインを声での表現にしたいなと思い、養成所に入り、声優・ナレーションの勉強をはじめています。
といいながら、顔出しのテレビCM、『みぽりん』といった顔出しの仕事もしています。メインに据えたいのはナレーションや朗読ですが声を使った仕事であればなんでもやります。

Q2.『みぽりん』出演で変わったこと

近藤知史
お客様と直接関わる頻度の変化が大きかったです。それまでのナレーションの仕事は現場に入って、クライアントさんとの1対1なので、娯楽として来てくれるお客さん達とこれだけの頻度で交流する機会がありませんでした。直接感想をいただけるというのが、今まで少なかったので、客観的に観た感想を伝えていただけるのが一番、大きな変化です。

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▼mayu(まゆ/木下里奈 役)

mayu

mayu

Q1.現在の仕事

mayu
現在は、役者、ナレーター、ラジオパーソナリティー、リポーター、イベントMCとして、テレビやラジオ、イベントなどに出演しています。

Q2.仕事のきっかけ

mayu
事務所に所属してタレント活動を始めたのは、2017年の4月です。
16歳の夏休みに書いた作文で賞をいただいて表彰式で朗読をしたのですが、朗読を聴いてくださった60代くらいの女性に「あなたの声には人の心を動かすパワーがある。その声で周りの人たちを笑顔にしてね。」と言われたのがきっかけでした。
10歳の頃から作詞家を目指していましたが、その女性の言葉がきっかけで声のお仕事をしようと決めました。
当時、私は放送部に所属していて原稿を読むのが好きだったこともあり、ナレーターを目指すようになりました。
あまり裕福な家庭ではないので高校を卒業したらすぐに就職して、働きながら自分でレッスン代を払える養成所に通い、 今の事務所とご縁があってこのお仕事を続けています。
養成所では声のお仕事に役立つ技術を学んだり、表現力や創造力を高めるために舞台台本などを使用したレッスンを受けました。

Q3.『みぽりん』に携わって変わったこと

mayu
私は「みぽりん」の宣伝活動を通して、フットワークが軽くなったように思います。
上映が決まった劇場でチラシを配ったり、チラシを置いてもらえるお店を自分で探したりして、休みの日にも外に出る機会が増えました。
そういった活動は初めは勇気がいりましたが、少しずつ映画に興味を持ってくださる方や協力してくださる方が増えるのが嬉しくて、やりがいを感じています。
また、松本監督や私が演じた木下里奈に共通する、どんなに絶望的な状況でも未来を信じて諦めない力強さに感銘を受け、前よりプラス思考になりました。
悩んでくよくよしてしまう時には「里奈ならどうやって乗り越えるだろう?」「松本監督のように、私も明るく頑張ろう!」と前向きに考え、自分自身を鼓舞しています。

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[写真・インタビュー:Ichigen Kaneda/構成:Jun Sakurakoji]

【インタビュー特集・後編】いざ、東京へ。へ続く

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映画『みぽりん』

STORY
ボイストレーナー・みほの狂気の沙汰。
何が起こるか全く予測不可能。悪夢のような5日間がはじまる…

声優地下アイドルユニット「Oh!それミーオ!」でセンターを務める神田優花は、6ヶ月連続人気投票1位を獲得し、ソロデビューする事が決まった。しかし、大の音痴である優花の歌声にプロデューサーの秋山とマネージャーの相川は頭を悩ませていた。
そんな中、同じグループのメンバー里奈のツテで、優花は怪しいボイストレーナー・みほのボイトレ合宿に参加する事に。
六甲山でみほにピックアップされ、山荘へ連れて行かれる優花。初日に契約書にサインをさせられると、翌日からいよいよ恐怖のボイスレッスンが始まる。少しづつ明らかになるみほの異常性。レッスンを進めていく中で、みほは優花がアイドルに相応しくないと感じ、怒りを募らせていく。
一方、秋山と相川は優花のソロデビュー曲のPV撮影を優花推しのファンの加藤に頼む事に。いよいよライブでのお披露目が明日と迫ったその日、ようやく3人は優花が監禁されている事を知り、六甲山へと向かうのだった…

CAST/役
垣尾麻美/みほ(ボイストレーナー役)
津田晴香/神田優花(アイドル)役
井上裕樹/秋山快(プロデューサー)役
mayu/木下里奈(アイドル)役
合田温子/相川梢(マネージャー)役
近藤知史/加藤淳(アイドルファン)役

松本大樹 初監督作品
企画・製作・配給:合同会社CROCO
2019/108min/日本/16:9/ステレオ
©️CROCO
作品公式サイト:https://crocofilm-miporin.com/
池袋シネマ・ロサ:http://www.cinemarosa.net/

12月21日(土)~ 東京 池袋シネマ・ロサにて3週間上映!

みぽりん

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