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“カメ止めブーム”発祥の地「シネマ・ロサ」で「Newcomers! 新人監督特集 Vol.3」第一弾『11月19日』が上映開始

「シネマ・ロサ」(東京・池袋)は、ロードショー上映だけでなく、自ら作品を買い付け配給し、若手映画作家らのバックアップを行っており、2018年、『カメラを止めるな!』旋風のきっかけとなったことは記憶に新しい。
また同館は、俳優特集、監督特集などの自主企画上映も積極的に行っており、5月11日からは、「Newcomers!新人監督特集 vol.3」がスタート。新人監督作品との出会いのチャンスとなっている。
本記事では、初日に行われた映画『11月19日』(2017年公開)の舞台挨拶のもようを併せて紹介。

シネマ・ロサ「Newcomers!新人監督特集 vol.3」

この特集では、3人の新人監督の作品を1週間または2週間限定で上映する。3作品のタイトルと監督名、上映期間は以下の通り。

◆神谷正智監督
作品:『11月19日』
上映期間:5月11日(土)~5月17日(金)

◆澤佳一郎監督
作品:『モラトリアム 完全版』
上映期間:5月18日(土)~5月24日(金)

◆安楽涼監督
作品:『1人のダンス』
上映期間:5月25日(土)~6月7日(金)

各作品の上映期間中は、監督、キャスト、ゲストによる舞台挨拶が予定されている。
各作品の上映初日は、女優の里内伽奈が舞台挨拶の MC を務める予定。

劇場:シネマ・ロサ(東京都豊島区西池袋1-37-12 ロサ会館内)

映画『11月19日』舞台挨拶レポート

物語:山形県の四季を背景に、二人の高校生の出逢いからはじまる青春ドラマ。ある田舎町の高校に通う陽子は、帰宅中に自転車がパンクして立ち往生してしまう。そこへ通りかかった陽子の同級生・亮太は自転車屋の息子。自転車を修理しようと陽子に声をかけ、彼女を自宅に連れて行き自転車を修理する。同じ高校に通いながらも交流のなかった2人は、この出来事をきっかけに徐々に親密になっていくが…。

5月11日の上映初日に行われた舞台挨拶では、高校生役で主演の2人、中村優里と兵頭大地。そして、元岡伸治郎、満利江。制作・脚本の神谷正倫、神谷正智監督の計6名が登壇。MCは、女優の里内伽奈。ロケ地となった山形の自然や人々の思い出、そして改めて“映画の遺す力”についての気づきなどが語られた。
なお、神谷正智監督と神谷正倫氏は双子の兄弟である。

11月19日

満利江/元岡伸治郎/兵頭大地/中村優里/神谷正倫(制作・脚本)/神谷正智監督/里内伽奈(MC)

双子兄弟の共同作業

里内伽奈(MC)
脚本はお二人で書かれたのですか?

神谷正倫(制作・脚本、兄)
初稿は弟(神谷正智監督)が書いて、私がいじった感じです。必要な時は、二人でモニターを並べて言い合いながら書いていました。

里内伽奈
撮影中は、監督(弟)には口出しはしないんですか?

神谷正倫
一切しないです。

11月19日

中村優里/神谷正倫(制作・脚本)/神谷正智監督

山形の四季を写し撮った作品

神谷正智監督
本作は、雪の多い地域をイメージしていて、知人の薦めで山形に行って撮影を行いました。
四季を2分割して、春夏と秋冬で撮ろうと思っていたのですが、どうせやるならきちんと四季に分けてやろうという話になって、10か月くらいかけて、数日ずつ撮影しました。

里内伽奈
(劇中で)自転車で待ち合わせする場所が素敵でした。

神谷正智監督
あの場所は、高瀬っていう地区で、撮影場所は奥まった部分にあります。

満利江(亮太の母役)
山形は人も景色も良くて。スクリーンで見ると、やはり綺麗だなと思います。
また、撮影当時は11月で、しし座流星群が見られた頃でした。
流星群は、オリオン座のそばに現れるって聞いていたのですが、私はキャストの中で唯一、流星を見ることができました。流星が現れるとシュッ、シュッと音がするようでした。思い出になっています。

“映画”は、そこにあったモノ・人を遺す

里内伽奈
作品に登場するあの学校は、まだ使われているんですか?
木の体育館っていうのはあまり無くて可愛いですよね。あのプールの雰囲気なども。

神谷正智監督
あの体育館は、失くなってしまいました。
ラストシーンに映る橋も撮影した3日後に壊されてしまいました。

里内伽奈
撮影の時だけでも橋が残っていてよかったですね。

中村優里(田中陽子役)
体育館も、橋も失くなってしまいましたが、そこにあったっていうことは事実ですし、人も含めて、それらを遺せるのが映画だっていうのに気づかされました。すごくいいなって改めて思います。

監督がこだわったラストシーン

里内伽奈
(本作で始めて)曲が流れるラストシーンで、急に切なさを感じました。

神谷正智監督
ラストシーンの構成は、最初から決めていました。
ここにこだわっていないって言ったら怒られちゃいますね。ラストカットですからね。

里内伽奈
とても胸に残りました。

満利江
ラストシーンで流れる曲は、(監督たちと同じ)双子のアーティストさん(ALLaNHiLLZ、アランヒルズ)が歌っていますね。

11月19日

満利江/元岡伸治郎

山形の景色に溶け込んだ高校生役の二人

里内伽奈
(同級生の高校生役を演じた)兵頭大地さんと中村優里さんについて。
二人の関係が深まっていく過程で、中村優里さんの顔がだんだんと変わっていき、最初のシーンの出会った頃よりも可愛くなっていく印象を持ちました。これは映画の力なのか芝居なのか?
二人の間で役作りについて話し合ったことはありますか?

兵頭大地(小林亮太役)
僕たちは実際に同い年というのもあり、最初から自然と話しやすかったです。
そして、撮影を進めるごとに徐々に距離が縮まっていったので、リアルに出せたんじゃないかと思います。

里内伽奈
二人の距離感とか会話のテンポがゆっくりで、それが山形の景色と合っているところが私は好きでした。
あれは監督の演出なんですか?

神谷正智監督
とにかくゆっくりしゃべって、抑揚をつけるなということだけは言いましたね。

兵頭大地
撮影に使った高等学校の、実際の生徒の皆さんと交流する機会を作ってもらったんですが、校長先生に伺うと、県民性もあるようなんですけど、山形の高校生たちはおとなしくゆっくりとした感じで、それを実際に肌で体感できたっていうのが良かったと思います。

11月19日

兵頭大地/中村優里

 
11月19日

里内伽奈(MC)

新人監督特集Vol.3

「新人監督特集Vol.3」制作陣一同

映画『11月19日』

■スタッフ
監督:神谷正智
脚本:神谷正智(Kamiya Masatomo・弟) 神谷正倫(Kamiya Masamichi・兄)
音楽:ALLaNHiLLZ
制作:佐藤哲哉 増谷緒一
■キャスト
中村優里 田中陽子(少女時代)
兵藤大地 小林亮太(少年時代)
河合朗弘 小林亮太(青年時代)
佐々木麻衣 田中陽子(青年時代)
小山梨奈
阿部佑樹
元岡伸治郎
満利江
辻和郎
坂伊美樹
■公式サイト:https://sorekara.wixsite.com/nov19

 

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