つむぎのラジオ

【インタビュー】職業=役者。役者を目指す時。

役者が役者としての人生を歩むきっかけとはなんだろうか。100人の役者がいたら100通りあるのかもしれないし、どこか共通点があるのかもしれない。
この度、映画『つむぎのラジオ』(木場明義監督)に出演する3人のキャストに、自身が役者を目指すことになったきっかけについてお話を伺うチャンスがあったので紹介する。役者という職業に関心がある人、もしくは役者を目指している人は是非ご一読いただきたい。
なお、映画『つむぎのラジオ』は、8月10日(土)から池袋シネマ・ロサにて1週間限定のレイトショーとして上映される。

■上映情報
作品:映画『つむぎのラジオ』(84分)
場所:池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区西池袋1-37-12 ロサ会館内)
日時:2019年8月10日(土)~8月16日(金)レイトショー
※連日日替りゲストと監督、出演者のトークショーを予定
最新情報はシネマ・ロサ公式サイトを参照
<チケット料金〉
前売り券(税込1,300円)、当日券一般(税込1,500円)

映画『つむぎのラジオ』のキャストにきく。役者になるきっかけ

つむぎのラジオ

大沢真一郎/米澤成美/長谷川葉生

Case 1. 役者・大沢真一郎

大沢真一郎

大沢真一郎

中学生時代に観たバック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ

大沢真一郎
僕が役者を目指すきっかけは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ』でした。
バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡを観て、作り手になりたいなと思ったんです。
その時は役者になりたいとはまったく思っていなくて、とにかく、作り手になりたいと思っていました。
当時、作り手というと、“監督”という役割しか知らなかったので、漠然と、監督になりたいと思っていました。
それがきっかけで、そこから、なぜか、形態模写をしはじめたんですよ。
マーティ・マクフライ(バック・トゥ・ザ・フューチャーの主人公)の走り方のマネとか。ブラッドピットの振り向く真似とか。モノマネからはじめました。おそらく、1989年で、中学1年生の頃だったと思います。

大学生で始めた遅い役者活動

大沢真一郎
僕は大学で演劇学専攻でした。
なぜか、大学1年から3年の途中までは、スチールカメラマンをやっていて、そちらのプロになりそうな感じでした。プロになったとして、ずっと続けられていたかは別ですけども、普通に仕事としてやっていたんですよ。
なので、役者としての活動をはじめたのは遅くて、大学3年くらいの時でした。
通った大学では演劇学専攻だたんですけど、座学だったんですよね。
それで、1クラスが60人くらいなんですけど、実際に演劇をやっているのは、10人いないくらいでした。
つまり、学問としての演劇の講義なんです。
僕が、調べてから大学に入ればよかっただけなんですけど、調べないで入ってしまったんです。
養成所だと思って入ったんですよ。そうしたら、4年間で台本を読む授業は1回だけで、後は全部、座学でした。
日本だと歌舞伎の歴史とか。海外だとシェイクスピアだとか。その前はギリシャ神話だとか。
“芝居とは”というところを学びました。

役者でイケる!と思ったオーディション

大沢真一郎
大学生活の中では舞台を一回やりまして、そのあとすぐ、3年生の時にインディーズ映画のオーディションを受けました。
ただ当時は、インディーズ映画だとは気づいていませんでした。
結構な応募人数の中から、オーディションでほぼメインに選んでもらったんです。
このタイミングで決まったんで、「これは役者でイケる!」と思って就職活動をしなかったんです。
そこから、いまに至ります(笑)

大沢真一郎

Case 2. 役者・米澤成美

米澤成美

米澤成美

緊張すると話せなくなってしまう小学校低学年時代

米澤成美
私は小学校では緊張すると話せなくなってしまうような状態でした。
人見知りなんですけど、調べてみたら“緘黙症(かんもくしょう)”というらしくて、それが原因で友達もほとんどいない状況で、ジメジメとしたキノコみたいでした。

褒められて変わった学校生活とお芝居への道

米澤成美
それが小学校5年生なのですが、学習発表会でやる劇で、その年は“寿限無(じゅげむ)”という劇でした。
その劇のオーディションがあって、私は“泣く女の子(その1)”という役だったんですけど。
その時のセリフを話した時に、友達から「あの子、初めて話した!」っていうことになって。
そこで、人から初めて認められたみたいな気持ちになりました。その時の褒められたことが自分の経験として大きな出来事でした。初めて人から褒められたし、あだ名も「なるこちゃん」ってつけられて、めちゃくちゃ嬉しかったので、お芝居をやってみたいと思いました。
6年生の時にも、お風呂の中で一生懸命に練習した意地悪なおばあさん役のセリフを、実際の劇の時に「本当にいじわるばあさんみたいだよ」ってほめられたことがあって、ますますお芝居をやりたいなって思うようになりました。

米澤成美

芸能事務所への応募と就職活動

米澤成美
高校は演劇部(ただし、照明部)で、大学は演劇サークルに入りました。
大学4年の時に、私がOLになったら、絶対、人生真っ暗だなと思ってしまったんです。
そこで就職はやめようと考えて受けたのがある芸能事務所でした。
事務所には預かりで入ったんですけど、じゃぁ、これで言い訳がたつなってことで、就職活動しなくていいよねってことにして、ここまでズルズルときています。しがない人生みたいなんですけど(笑)

米澤成美

Case 3. 役者・長谷川葉生

長谷川葉生

長谷川葉生

役者をめざしたきっかけはアニメ好きと声優への憧れ

長谷川葉生
私の役者への道のスタートは、声優さんになりたいと思ったところからでした。
アニメが好きで、高校生の頃にグッズを作ったりしていました。
私は栃木出身で、宇都宮でコミケのような小規模なイベントがあったんですけど、そこで、高校の友達とグッズをブースにならべてイベントに参加したりしていました。
とにかくアニメが好きで、声優さんに憧れていたんです。当時既に、林原めぐみさんが大人気になっていました。
そんな声優さんに憧れて、お芝居が出来なきゃいけないと思って、お芝居を始めました。
ただ、お芝居を始めたのは、群馬の大学に入ってからです。でも、大学内で活動することはしませんでした。
学内という周りの人たちと近いところでお芝居することが恥ずかしかったんです。
なので、学内ではなく、社会人の人たちが集まってつくっている群馬の劇団に入りました。

長谷川葉生

群馬から東京へ

長谷川葉生
その群馬の劇団で立った舞台を観てくれていた映画監督がいらっしゃったんです。
その方は群馬で自主映画をつくっている方だったんですけど、その人の作品にヒロインとして出演することになりました。
その映画の主人公は東京からいらした役者さんで、東京でお芝居を教えている方だったんですけど、キャスティングの手伝いもされている方でした。その人のレッスンを観に行ったり、エキストラで呼んでもらったり、そこから東京への足がかりができました。
その後、大学在学中に芸能事務所のオーディションに受かったので、事務所に所属はしたけど、両親と相談し、大学を卒業してから東京へ行くことにしました。

– “群馬”といえば、群馬出身の女優・手島実優さんが、演劇のワークショップに参加した際に、長谷川葉生さんに出会って、役者の道を目指した話をされていました。

長谷川葉生
ああ、実優ちゃん!嬉しいですね。そう言ってもらえて。
先ほどお話ししたお芝居を教えている俳優さんに声をかけて、群馬でもワークショップを開催していただくことになって、そこに来たのが手島実優ちゃん(映画『カランコエの花』)とか、枝優花監督(映画『少女邂逅』)でした。

木場監督
葉生さんが…つむぎが、つむいでくれたんだね。

長谷川葉生

[取材:Ichigen Kaneda/構成:Jun Sakurakoji]

映画『つむぎのラジオ』

□あらすじ
つむぎの頭の中では彼女しか聞こえないラジオ放送が流れていた。
そんな折彼女は子供の頃に親友だったこよりと街でばったり再会する。
頭の中のラジオの声に促され、つむぎはこよりを幸せにしようと画策するのだった。
一方、こよりはある日浜辺で恋人に別れを告げようとしていた。
しかしその恋人が忽然と姿を消してしまい、彼女はあてどもなく恋人を探すのであった…。

出演:
長谷川葉生 米澤成美 中山雄介 藤原かずま 大沢真一郎 小宮凜子 藤井太一 山口友和向有美 もりとみ舞 西川 実佑 星中 理里
監督・脚本・撮影・編集:木場明義
公式ホームページ:http://tsumugi.coresv.com/
公式ツイッター:https://twitter.com/theradio2019

予告編

YouTube player

つむぎのラジオ

プロフィール

長谷川 葉生(はせがわ よう):織原つむぎ 役

栃木県出身。
2009年に『EMPTY×BLUE』のヒロイン役でデビュー。最近では出演作『書くが、まま』がMOOSIC LAB 2019にて観客賞を受賞、全国の映画館で公開される。
また幼い頃から絵を描くことを好み、大学では美術の教員免許を取得。舞台や映画、CMなどに出演する傍ら、イラストや小道具製作など美術の分野においても活動中。
Web:https://40hasegawa.wixsite.com/haseyou
Instagram:@hasegawa40

長谷川葉生

長谷川葉生

米澤 成美(よねざわ なるみ):綱島こより 役

1987年12月24日生まれ 岩手県紫波町出身。
あだ名 よね牛 身長 154cm 体重 43kg B80W56H84 靴のサイズ23㎝
特技 岩手 資格 漢字検定準2級 毛筆初段 硬筆2段
自身のプロデュース公演に米澤成美一人芝居「よね牛の1人でやってみた」がある。
最近は短編映像で監督、編集も手がけている。
木場監督作品では、四日市映画祭グランプリの映画『サイキッカーZ』(2016)にも念動力のヨウコ役として出演。
その他、舞台、テレビドラマ、ラジオ、CMなど出演作多数。

米澤成美

米澤成美

大沢 真一郎(おおさわ しんいちろう):黒田 光 役

1977年生まれ、東京都出身。 明治大学文学部演劇学専攻卒。
在学中に舞台を経験し、2002年「ロスト・バイ・デッド」(辻岡正人監督)で準主演の真也役を演じスクリーンデビュー。
続いて主演を務めた辻岡正人監督作『DIVIDE ディバイド』は2006年トロントリールハート国際映画祭にて、監督賞、 審査員特別大賞を受賞。
木場組には『サイキッカーZ』以来、二度目の参加。また、木場監督最新作『ヌンチャクソウル』(2019公開予定) にも出演を果たしている。
昨年、一世を風靡した、『カメラを止めるな!』(2018/上田慎一郎監督)、『カメラを止めるな! スピンオフ ハリウッド大作戦!』(2019/中泉裕矢監督)にも出演。2019年公開予定の『透子のセカイ』(曽根剛監督)も控えている。

大沢真一郎

大沢真一郎

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA