2017年6月26日、タワーレコード渋谷店「永井豪 50EVE~永井豪」会場にて永井豪氏による記者会見と、別会場でトークLIVEが行われた。
トークLIVEにはゲストとして、大槻ケンヂ(筋肉少女帯・特撮)、増子直純(怒髪天)らも登壇。
永井豪氏のこれまでの作品の今だから言える秘密や新作劇場版「マジンガーZ」(仮題)の話題で大盛況。
立ち見が出るほどに詰めかけた大勢の観客は、終始大笑いの楽しいものとなっていた。

トークLIVE - 永井豪 50EVE~永井豪

永井豪氏インタビュー

–本展示会をご覧になっていかがですか?

永井豪
見慣れた絵だけど(笑)、でもこうやって並ぶとたくさんやってきたなーって思いますね。
僕がデビューした頃は、手塚先生や石ノ森先生もそうでしたが、どこの誌にでもたくさん描いているのがステータスだったみたいな時代だったんで。
どれだけ人よりたくさん描いているか、それを競い合っているような時代でした。
ま、漫画家が少なかったっていうのもあるんですけど、そこで負けては生き残れないと思っていましたので、石ノ森先生にどうやって追いつこうかと、必死に眠る時間削ってやるしかないだろうとそういう覚悟で。
そして、石ノ森先生もそうだったそうなんですが、僕も来た仕事は一切断らなかったですね。
そんな感じだったので、自然と作品はいきもののように増えていきましたね。

–50年前、50年後の今もこうやって漫画を描いていると思われていましたか?

永井豪
何も考えないで、とりあえず目先の締め切りだけを見てやってきて、気がづいたら50年経ってたって感じですね。
50年描くぞ!っていう気持ちは特に持っていなかったですね。

–漫画家以外の仕事につくという気持ちはありましたか?

永井豪 50EVE~永井豪

永井豪
それはちょっといろいろ初期にはあったかもしれないけど、やっぱり真剣に目指したのは漫画家でしたね。

–今後、これだけは描きたいという作品は?

永井豪
自分もその都度変化してますし、描きたいものも変わってきています。
ただ、描きたいものがいつでも描かせてもらえるかというと、その辺はクライアントの意向もあり、編集さんがそれよりもこういうのをやりましょうよって言われたら、そっちをやらざるを得ないというかそういうものもあります。
なかなかこの仕事、自由にやれているように見えてやれていないような気もします。
だから、決まったことの中で自分らしさを発揮しようとして、時には編集さんの意向とから思いっきり脱線しながらやってますね。

–バイオレンスとかエロスとかの先生の表現はこれまでいろいろ世間の批判との戦いもあったと思いますが?

永井豪
そうですね、自分の判断基準に従ってやるしかないと思ってやるんですけど、そのたびに世間から叩かれたり。
でもその時代の制限に合わない場合は、引っ込めるしかないですが、その場合は次のことを考えます。
ただ、(最初は)かなり抵抗します。
3日ぐらい抵抗して、編集さんに説得され続けたりとか昔はそういうことがよくありました。
最近は少し丸くなりまして、人の立場がようやくわかるようになりました(笑)
そりゃそうだろうなぁと、自分が編集さんの立場だったらそうするしかないだろうなぁって思えるようになりました(笑)

–先生がこの50年振り返って一番大事だったターニングポイントはどこでしょうか?

永井豪
やっぱり「デビルマン」だったんじゃないかなと思いますね。
当時はギャグマンガ家っていうイメージが染み付いてましたんで、依頼される仕事もほとんどギャグででした。
なので、ストーリーものを持ち込んでもやっぱりギャグをやってほしいっていうことになってしまうんです。
でも、その時なんとかストーリー漫画にシフトしないと自分が望んだ漫画家にはなれないと思ってましたんで、「デビルマン」を成功させなければ、もうチャンスはないと思うくらいの気持ちで、必死で描いてました。
それが先にテレビが終わることが決まってしまって、『少年マガジン』の連載も急に終わらせなくちゃいけない状況になってしまった。
ほんとは倍くらいの量を考えていたので、終わりに向けての2~3ヶ月は自分が「デビルマン」で描きたかったことが描ききれなかったら自分がストーリー漫画家としての先が無いだろうと思って、とにかくつめこもうとして必死に描きました。
結果、ギャグマンガだけではないんだということが(世間から)評価されたので、そこがターニングポイントと言えるかもしれません。

–先日、フランスに行かれて、現地のファン向けサイン会などを行われたそうですが、ファンの反応はいかがでしたか?(6月13~18日, アヌシー国際アニメーション映画祭)

永井豪 50EVE~永井豪

永井豪
すごい熱狂的だったのがまず嬉しかったです。フランスの場合はゴルドラック(日本題名:UFOロボ グレンダイザー)が大人気なんです。
「マジンガーZ」(仮題)の宣伝で訪れたのですが、現地の記者の方も、話の半分はゴルドラックのことで、現地の期待にも応えないといけないので、ゴルドラックの話もかなりしたという状況ではありましたが、ファンの人も記者の人もみんな小さい頃から、(私の作品を)夢中で見てましたっていう反応が嬉しく思いました。

現地では、デル・トロ監督(「パシフィック・リム」)とも対談したんですが、思いっきりハグされて、「僕が子供の頃、どれほど影響を受けたのかわかっているのかい!」って言われて大変でした(笑)
(記者註)デル・トロ監督は、永井豪氏のことを「マシンアニメ界のモーツァルト」と言っていたそう。

–アヌシー国際アニメーション映画祭で劇場版「マジンガーZ」(仮題)の特報が上映されましたが現地での反応はいかがでしたか?

永井豪
すごかったですね。
数分の抜粋シーンとメイキング映像と質疑応答があったんですが、全部終わった後、全員総立ちでスタンディングオベーションのものすごい拍手で、反応は上々でした。
その会場にもデル・トロ監督が来てくれていて、大喜びしてくれていました。

–劇場版「マジンガーZ」(仮題)のみどころを改めて先生からお聞かせください。

永井豪
今度の劇場版は、メカの細部までディテールもすごくて、それが今までのマジンガーのアニメにはなかったクオリティーなので、そこはすごい見どころあるなと思いました。

永井豪 50EVE~永井豪

 

永井豪 50EVE~永井豪

インタビューの後、永井豪氏は展示会入り口のパネルに、スラスラとデビルマンとサインを描いた。

爆笑&大盛況のトークLIVE!

トークLIVE - 永井豪 50EVE~永井豪

 

トークLIVE - 永井豪 50EVE~永井豪

19時から、タワーレコード渋谷店B1F CUTUPSTUDIOにて、「GO NAGAI LIVE 永井豪トークショー」が行われた。
ゲストは、大槻ケンヂ(筋肉少女帯・特撮)、増子直純(怒髪天)。
彼らの永井豪作品への敬意と熱い愛に溢れたトークは、コアでもあり、またユーモアたっぷりで、1時間30分ものトークLIVEは、訪れた観客の絶え間ない笑いで大盛況だった。

編集部と戦い続けた時代
大槻氏や増子氏らの、
「僕ら世代の男子の“目覚め”は「キューティーハニー」だった。」
「けっこう仮面はすごかった!」
という話に始まり、
「でも当時、「ハレンチ学園」など、世間の風あたりが強い時期はどうだったんですか?」という問いに、永井豪氏は、
「クレームは多かった。なので、当時は編集部と戦うことが多かった」と振り返った。
大槻氏はその永井豪氏の漫画作品にかけるこだわりと戦う姿勢を“パンク”と表現していた。
そのせいか、永井豪作品のファンには、ロックやメタルのアーティスト、はたまた格闘家の間にファンが多いということで、日本含め世界の著名アーティストが永井豪氏の元に訪れることもよくあるという。

原作とアニメのキャラクターデザインの違い
大槻氏が「「デビルマン」とかは特にデザインが違いますよね?」と質問すると、
「そうですね。最初のデザインは、これは主人公じゃない、怪物ですって言われ続けて3回くらい直して、
そして、ようやくテレビ局の人に見せたら『これはいいですねぇ。敵のボスとして。ところで主人公のデザインは?』って言われて(笑)
もっと人間っぽい、アメコミのスーパーヒーローみたいなのになりませんかって言われて、尻尾もダメでパンツもはかせてくださいって言われて。
(会場笑)
テレビが浸透してくると、アニメとはちょっと違うって言ってくるファンがいて、逆に原作の方をアニメに合わせて少し修正してみたり、自分でも描きながらいろいろ変化してきましたね。」

トークLIVE - 永井豪 50EVE~永井豪

永井豪 50EVE ~永井豪50周年前夜祭~ 概要
開催日時:2017年6月21日(水)〜7月2日(日)
会場  :タワーレコード渋谷店8F SpaceHACHIKAI
営業時間:11:00〜21:00(最終入場20:30)※最終日のみ17:00まで(最終入場16:30)
入場料 : 800円(税込)
※当日券(会場入り口にてお支払い)
※未就学児は無料
グッズやイベントなどの詳細は下記サイトまで!
HP:http://towershibuya.jp/news/2017/05/24/98607

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