さらにいくつもの片隅に
コトリンゴ/のん/片渕監督/岩井七世

11月4日、TOSHOシネマズ六本木にて、第32回東京国際映画祭特別招待作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のワールドプレミア上映が行われ、舞台挨拶に、のん、岩井七世、片渕監督、さらに主題歌と劇中楽曲を担当するコトリンゴの4名が登壇した。(ビデオ&フォトギャラリー)

2016年11月12日に公開された現行版『この世界の片隅に』。2019年10月31日現在、鑑賞観客数は延べ200万人を超えながらもまだ上映が続いている。そんな中、新たに250を超えるカットが描き加えられ、“新作”『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』となって2019年12月20日に公開となる。

プレスシート情報(抜粋)

あの場面が、全く異なる印象もって迫ってくる

新たに描き加えられた250を超えるカットが、いくつもの場面として物語の随所にちりばめられる。
その結果、浮かび上がってくる--“秘密”。
誰かを大切に思う。だからこそ、胸の奥にしまい込んだほうが良いことがある。
彼女たちの心の奥にあった本当の感情に気づいたとき、これまで目にしていたシーンや人物像は、全く異なる印象で息づいてくる。
この映画は、『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。
『この世界の片隅に』を知る人も知らない人も、1本の新作として体感できる新たな物語なのだ。

調べ上げ描き込まれたディティール

(前略)いったん作品にまとめ上げた後も(片渕監督の)探求は続けられ、本作制作時までに「わかったこと」が新規カットではない部分にも反映されている。

日常のささやかな息づかい

主人公すずを演じるのは、現行版でも高い評価を得たのん。心の奥に想いを秘めた複雑な心境を丁寧に描き出す。周作役の細谷佳正、哲役の小野大輔、晴美役の稲葉菜月、径子役の尾身美詞、すみ役の潘めぐみ、ほか実力派も再集結。新たに加わるエピソードで重要な存在となるリンも、岩井七世が演じきる。また今回初登場となる遊郭の娘・テルを実力派人気声優・花澤香菜がはかなくもチャーミングに演じた。
音楽はコトリンゴが担当。新たに4曲を書き下ろしつつ、エンディングテーマ「たんぽぽ」も、本作のためにストリングスと木管楽器をさらに追加してリミックス。この世界を美しい旋律で包み込んだ。

CHARACTER and CAST

■テル(声:花澤香菜)
すずが出会う、リンと同じ遊郭で働く九州出身の女性。客となった若い水兵と川に飛び込み、それがもとで風邪をこじらせてしまう。

PRODUCTION NOTE

■アフレコ、始まる-2019年7月~10月
7月1日、新谷真弓によるガイド収録が行われた。片渕の求める微妙なニュアンスを確認し、時にはセリフを調整しながら、アフレコの指針となるガイドが作られていった。7月5日、今回はのんとリン役・岩井七世の場面から収録が始まった。アフレコは期間をおいて何回かに分けて収録され、細谷佳正、尾身美詞らが参加。のんの最終収録は10月7日であった。

映画『この世界の片隅に』データ

鑑賞観客数:2,105,014人(2019/10/31現在)
興行収入:2,721,139,956円(2019/10/31現在)
上映劇場数:484館(2019/10/31現在)
最大同時公開劇場数:301館(2017/2/18-24)
劇場公開した国・地域:41(2019/10/31現在)

さらにいくつもの片隅に

舞台挨拶レポート(ノーカット)

さらにいくつもの片隅に

舞台挨拶全編は動画でもどうぞ!

あいさつ

のん(北條すず 役)
すずさんの声を演じさせていただきました、のんです。今日はよろしくお願い致します。

のん
のん

岩井七世(白木リン 役)
白木リンさんの声を演じさせていただきました岩井七世です。今日はこんな大きな映画館で皆さんにお会いできて嬉しいです。よろしくお願いします。

岩井七世
岩井七世

コトリンゴ
音楽を担当しましたコトリンゴです。今日は私も皆さんと一緒にすごく楽しみにしてました。まだまだ続きがあるということで、一緒に応援していきたいと思います。よろしくお願いします。

コトリンゴ
コトリンゴ

片渕須直監督
どうも監督の片渕です。2016年の東京国際映画祭で『この世界の片隅に』という映画が初めて皆さんの前に現れることができたんですけども、それから丸3年経って帰ってこれたような気がします。今日はどうもありがとうございます。

片渕須直監督
片渕須直監督

ワールドプレミアの心境

– 今日、世界で初めて皆さんに披露ということで、今のご心境をお聞かせください。

片渕須直監督
すごく長い映画なのですが、実はまだ途中でして、まだあと数分長くなります。今日これから帰ったらまた作業なんです。
今日は長い長い映画にお付き合いいただきましたが、それは、もっと長い“すずさん”の人生のページがちょっと多く開かれたことだと思うんですね。すずさんの人生をこの映画を通じて感じていただけたらと思いました。

“すず” “リン” 再び

– 前作『この世界の片隅に』から3年経ちました。再び、のんさんはすずさんを、岩井さんはリンさんを演じられていかがだったでしょうか?

のん
私自身が期間を置いてから同じ役に挑むっていうことが初めて経験だったので、すごく緊張していたんですけど、何度も作品を見返したり、原作を読み返したり、新しいシーンに対してどういう解釈をしようかなっていうのを構築していくうちに、なんとなくすずさんの皮膚感が蘇ってきました。録音のスタジオに行ったら監督がいらっしゃって、監督への信頼がすごくあったので、しっかりと強い気持ちを持って臨むことができました。

のん

岩井七世
私も、3年経って新しく入ったシーンをすごく楽しみにしていたので、自分でも呉に行ったり、前作『この世界の片隅に』を10回くらい、いろんな映画館に観に行ったりとか、私自身とても作品のファンだったので、とても緊張しましたね。
なので、なるべく気張らずリラックスして、監督の言葉に耳を傾けて、(録音)当日は臨みました。

岩井七世

書き下ろし曲、新録曲の意図

– コトリンゴさんは今回、書き下ろしが4曲、エンディングの「たんぽぽ」も再録されたということですけれども、そこにはどんな意図がこめられていたんでしょうか?

コトリンゴ
今回は、すずさんの世界で、リンさんのすごく大きく関わっていて、そこに周作さんも関わってくると思います。なので前作で作っていたそれぞれの登場人物の音楽を発展させる形で、自然に新しいシーンが繋がっていけばいいなと思って作っていきました。
最後の「たんぽぽ」は、聴いたイメージはそんなに変えたくなくって、でもたぶん次作はもう無く、これでほんとの完結なので、名残惜しい重厚感を出したくてアレンジを豪華にしています。

コトリンゴ

「さらにいくつもの片隅に」に込めた思い

– 前作と今作とどこが一番違うでしょうか?今作に込めた思いと共にお聞かせください。

片渕須直監督
『この世界の片隅に』は、すずさんと、どちらかと言えば、お義姉さんの径子さんとの、2人の葛藤というか、2人の関係がどんな風に変わっていくかで、すずさんという人の進んでいく道を示していたんじゃないかなと思います。
今回はもっと複雑になっています。人間ってそんなに簡単なものではなく、もっとたくさんのものに出会って、たくさんのものに苛まれて、でも生きていかなければならないわけです。すずさんはもっとたくさんの人のことを見るわけです。
前作で描かれていたいろんなシーン、いろんな表情、いろんなセリフっていうものが、今回、たくさんの新しいシーンを加えたことで、「あ、ほんとはこんなことをすずさんは心の中に抱いていたのかもしれない」「あんなことを思いながら、こんなことをしゃべっていたのかもしれない」っていうことを思い描いていただけるようになっているのではないかなと思います。
より、すずさんという人の人格、すずさんという人の存在が多面的になったということなんじゃないかなと思います。

周作とリンの秘密に触れて

– 今回、リンさんと周作さんの秘密にも触れることになりますけれども、すずさんをどのようなお気持ちで演じられていましたか?

のん
すごく複雑な気持ちだなと思いましたね。リンさんがすずさんの中でこんなに存在が大きい人だったんだなっていうシーンがたくさんあるし、すずさんが呉に来て、知らない家族の中にお嫁入りして、お嫁さんの義務っていうのを果たすことで自分の居場所を見つけるというように過ごしていく中で、リンさんは、初めて呉ですずさんに絵を描いてほしいって言ってくれた人なんですよね。
すずさんが、自分が持ってきたもの、自分の中にあるものを認めてもらえたっていう、そこをすごく心の拠り所にしていたんじゃないかなって思います。すずさんにとって、それほどにリンさんって大きな存在だなって。
そういう中でリンさんと周作さんとの秘密があり、それに気づいたすずさんは、自分の感情を置けばいいのかっていうことに戸惑い、いろんな感情が入れ代わり立ち代わり外に出てきます。その複雑な部分が難しいなって思いました。
スタジオに行って、監督に演出をしていただきながら、「あっ、こういうことか」っていう気付ける部分もありましたし、自分自身もたくさん気づけた部分があって、再びこの役に挑めることができて良かったなって思います。

のん

– ありがとうございます。のんさんの今のお言葉で、思わずもらい泣きしてしまいそうになりました。

最後のメッセージ

のん
皆さん、今日はほんとうにお越しいただきありがとうございました。「さらにいくつもの片隅に」っていう新作となって、新たな気持になって観られる映画だと思うので、是非たくさんの人におすすめいただけたら嬉しいなと思います。今日はありがとうございました。

のん

片渕須直監督
『この世界の片隅に』という映画があって、でも『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』というのは、また新しい映画だというつもりで作りました。今日はそういう映画を初めて一般の方々に観ていただける機会になりましたが、こんなにたくさんの方々に最初から観ていただいて、ほんとにこんなに嬉しいことはないです。今日、この時間を共有していただいてありがとうございました。どうぞ、これからもよろしくお願い致します。

片渕須直監督

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フォトギャラリー

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[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

【Introduction】
210万人の胸を震わせたあの場面が、まったく異なる印象で迫ってくる。
この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も 1 本の‟新作“として体感することになるだろう。すずの内面を大人の表現で魅せる女優のん、岩井七世(リン役)、細谷佳正(周作役)など、前作のキャストがパワーアップして再集結。さらに遊郭の女性テル役として花澤香菜が初参加。コトリンゴによる書き下ろしの新曲と共に、私たちを新たな世界へといざなう。

【Story】
誰もが誰かを想いひみつを胸に 優しく寄り添う
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。

声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/花澤香菜/ 澁谷天外(特別出演)
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊) 企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔 音楽:コトリンゴ プロデューサー:真木太郎 監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA 配給:東京テアトル 製作:2019「この世界の片隅に」製作委員会 ©2019 こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:ikutsumono-katasumini.jp

12月20日(金)テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開

のん