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サクリファイス

「東日本大震災をテーマにした脚本を書く」という課題からスタートした映画『サクリファイス』

第32回東京国際映画祭 「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」受賞作品上映となる映画『サクリファイス』。本作は「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」の国内コンペティション長編部門で優秀作品賞を受賞した作品。
11月3日、TOHOシネマズ六本木にて行われた舞台挨拶には、五味未知子、半田美樹、壷井濯監督が登壇。3・11を題材とした作品作りの理由や役作りのエピソードが披露された。

サクリファイス

(左から)五味未知子、壷井濯監督、半田美樹

■映画『サクリファイス』

【あらすじ】
かつて新興宗教団体〈汐の会〉で東日本大震災を予知した少女・翠は、今は陸上部に所属する女子大生としての日々を過ごしていた。
同じ頃、大学周辺では三つの事件が起こっていた。神崎ソラという孤独な学生の死。三一一匹殺されるまで終わらないとされる猫殺し。若者を戦争へ駆り立てる団体〈しんわ〉の暗躍。
平凡な毎日を忌み嫌う塔子は、同じ学部に通う愛想の良い青年・沖田が猫殺しの犯人ではないかと睨み行動を共にしていた。やがて彼が、キャンパス内で神崎ソラと接触を持っていた唯一の人物であることを知り、猫殺しだけでなくソラの殺害にも関与しているのではと疑い始めるが……。
東日本大震災から八年、「死の物語」の中を若者たちが疾走する。

【解説】
本作の企画は、大学の授業で「東日本大震災をテーマにした脚本を書く」という課題が出たところからスタートした。不幸の中から幸福への糸口を見出だせるのが映画だとすれば、〈つながり〉ではなく〈断絶〉を、今こそ恐れずに描くべきではないか。そして、それは現代人が目を背けがちな「死の物語」でなくてはならない。「死の物語」には他者の孤独や不幸に寄り添う力があるからだ。こうして書き上げられた『サクリファイス』の脚本は、その後、立教大学映像身体学科の第一回スカラシップ作品に選出され、映画化された。
誰にでも愛想の良い好青年でありながら、猫の死体の写真を収集しているという複雑な内面を持つ主人公・沖田を演じるのは、『14の夜』『アイスと雨音』での演技が話題を呼んだ青木柚。「普通」を拒絶し、「境界」の向こうへ憧れを抱く女子大生・塔子役には、『花に嵐』『聖なるもの』や舞台でも活躍する半田美樹。霊能力に翻弄されながらも、大切な人との記憶を武器に走り続ける少女・翠役には、これが映画初出演となる五味未知子が挑んだ。脇を固める三坂知絵子、草野康太、三浦貴大ら実力派俳優たちの芝居も見所の一つである。
ラスト三十分、生者と死者の境界が取り払われ、物語そのものが「壊れる」時、寄る辺なき若者たちはどのような生き方を選択するのだろうか。是非、あなたの目で目撃して欲しい。

■監督・キャストへのQ&A

Q.壷井濯監督は立教大学の映像身体学科の大学院で学ばれていて、篠崎誠教授が監督した3・11を題材とした『SHARING』や『共想』があったと思いますが、それらとは関連がありましたか。

壷井濯監督
篠崎教授には『SHARING』(2014)や、『あれから』(2012)、共想(2018)など、3・11を扱った3つの作品があって、僕はゼミ学生でした。、
今回の企画の発端が篠崎教授からのゼミの課題で、3・11をテーマにした脚本を書くことからスタートしているので。そこからこの題材を扱っています。ただ、それだけではなく、『SHARING』と『共想』は、スタッフとして参加させていただいています。その中でいろいろと演出の面でも、物語の捉え方という点でも、影響を受けながら作ったので、自分としては恥ずかしがることなく、影響を受けていると言うことができます。
篠崎教授と一緒に新しい『共想』という作品を作る前に、一緒に脚本を考えることもあったので、やはり、『SHARING』の続編ではないですが、似たような要素が入ってくる要素がありました。そんないろんなものがギュッと詰め込んで、このような作品になりました。

サクリファイス

壷井濯監督

Q.五味さんは、特別な能力をもちながら、それを隠して生きているキャラクター[翠(みどり)]でしたが、その特別な能力を持つ人の感情をどのように考えながら演じましたか?

五味未知子
翠は、過去が見えたりとかする特別な能力を持っていますが、それによる、得したりとかっていう感情は持っていないと思っています。その能力を持つことによって、孤独とか罪悪感とかマイナスな感情が多いと思っています。、私も結構そういう部分を持っていて、孤独とかを感じながら生きているのでわかるなぁとか、寄り添える部分があるんじゃないかなと思って、そこが近いので演じやすかったです。

サクリファイス

五味未知子

Q.塔子は、普通な毎日に鬱屈を感じながら、なかなか現状を打破することができないという役どころでしたが、最初に脚本を読まれた時、ご自身と重ね合わせて、塔子の役をどのように感じましたか?

半田美樹
平凡な日常に退屈していたりとか自分が普通であることを受け入れたくないようなことは、自分にも共感できる部分だと思いつつ挑んでいたんですけど。塔子はそれを表にだす方法が下手というか、とても空回りしている印象を強く感じました。
それが痛いのか可哀想なのか、観る人によって、印象が変わっていったら嬉しいなと思いながら、今回やりたいなと思って演じました。

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半田美樹

■壷井濯監督からのメッセージ

小さな作品なのですが、いち早く上映したいと言ってくださった劇場の方々に感謝しています。この場所からまた、ひとつひとつ皆様のもとに届ける努力をしていきたいと思っています。
よろしければ応援よろしくお願いします。


【キャスト】
青木柚 半田美樹 五味未知子 藤田晃輔 櫻井保幸 矢﨑初音 下村花
柗下仁美 青木陽南 田港璃空/三坂知絵子/草野康太/三浦貴大

【スタッフ】
監督・脚本・編集:壷井濯
プロデューサー:藤原里歩
副プロデューサー:柗下仁美、林海斗
撮影:柗下仁美
録音:藤原里歩
撮影助手:柳田智哉
助監督:加登谷美琴
制作:下村花
音楽:大津沙良
整音:塚本啓介
スチール:柗下知之
主題歌:ぐみ(from パスワードの人)「小譚歌」
制作: Récolte&Co.
配給:コムテッグ 宣伝:髭野純

【作品情報】
2019年/日本/カラー/16:9/77分/ステレオ/デジタル
© 立教大学映像身体学科/Récolte&Co.

2020年3月6日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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