海辺の映画館―キネマの玉手箱
(後列)細山田隆人/細田善彦/山崎紘菜/厚木拓郎/(前列)常盤貴子/大林宣彦監督/吉田玲

11月1日、TOHOシネマズ六本木にて、第32回東京国際映画祭「Japan Now」作品で大林宣彦監督最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の舞台挨拶が行われた。さらに、東京国際映画祭から特別功労賞の授与も行われた。(動画&フォト)

舞台挨拶に登壇したのは、大林宣彦監督、厚木拓郎、細山田隆人、山崎紘菜、常盤貴子、そして本作でヒロインを務める新人俳優、吉田玲。

“太平洋戦争の純真な軍国少年であった体験と元に、様々なジャンルの映画にその思いを潜めつつ「厭戦映画」を作り続けて来ました。”
そう語る大林宣彦監督は、かつて黒澤明監督から次のように託されたという。

俺があと400年生きて映画を作り続ければ、俺の映画できっと世界を平和にしてみせるけれども、俺の人生はもう足りない。君は20年俺より先にいけるぞ。君が無理だったら君の子供、さらにそれがだめなら君の孫たちが、少しずつでも俺の先をやって、そしていつか俺の400年先の映画を作ってくれたら、その時にはきっと映画の力で世界から戦争がなくなる。それが映画の力だ。

(引用元:Short Shorts Film Festival & Asia)

大林宣彦監督はこの言葉のとおり、今も映画の力で次の世代へと平和を引き継ぎ続けている。特に若い世代への思いを強く。
その若い世代の一人、そして本作のヒロインとして、大林宣彦監督自身が大抜擢した、高校3年生の吉田玲は、舞台挨拶で次のように語った。

吉田玲
私はこのようなプロの映画(*)の出演は初めてで、撮影中はとても緊張してたんですけど、撮影し終わった後はすごく楽しくて、とってもいい体験をさせていただきました。
学校で学べない戦争のお話を、この映画ですごく学べたので、教科書よりいい教材なんだなと思います。この映画をたくさんの方に観ていただきたいなと思います。ありがとうございます。
*吉田玲は、自主製作映画『隣人のゆくえ』の出演経験のみ。なお、大林監督は『隣人のゆくえ』を観て、吉田玲を抜擢した。

吉田玲
吉田 玲

大林宣彦監督メッセージ
私たち観客が世界を幸せにする力を持っている。それが映画の自由な尊さです。
自由を守るってとても難しいことですが、やり遂げなければなりません。
黒澤明さんは、(平和が確立するのは)700年かかるとおっしゃいました。並々ならぬ道だと思います。
戦争は明日にでも起きますが、平和は400年かかるそうです。
(黒澤さんは僕に)「だから大林君、君は僕たちの続きをやってくれよ。僕は(かつての)敵国(アメリカ)のジョン・フォード監督の続きをやったぞ。」
ということですのでね、映画は素晴らしい!ありがとう!その映画を育ててくれたお客さん皆さんに感謝です。
今日はありがとうございました。

大林宣彦
特別功労賞トロフィーを手に語る大林宣彦監督

映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』は、平和への道のり、400年先への映画への道標のひとつとなる。公開は2020年4月。

特別功労賞受賞シーン&全キャストコメント(動画)

映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』

映画は戦争を止められるのか?
今夜限りで閉館するオールナイト上映で3人の若者たちが映画の世界にタイムスリップするファンタジー。20年ぶりに古里「尾道」で撮影を敢行。圧倒的なメッセージで贈る大林宣彦監督最新作。

STORY
嵐の夜、尾道で一館だけ残った映画館「瀬戸内キネマ」が今夜限りで閉館となり、別れを惜しむ観客で賑わっている。毬男、鳳助、茂の3人の青年も駆けつけ、最後のプログラム「日本の戦争映画大特集」のオールナイト上映が始まった。
スクリーンでは女優たちが徳川泰平の世を時代劇オペレッタで愉快に演じている。すると突然、劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、3人は上映中の映画の世界にタイムリープする。最初は訳がわからないまま俳優たちと踊り歌う3人だったが、次第に自分たちが上映中の「戦争映画」の世界を旅していることが分かってくる。

こうして映画は、のどかな江戸時代から乱世の幕末、戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争の沖縄へと続く、目まぐるしく流血の歴史が語られる。戦争の変遷に伴って、映画の技術もまた白黒のサイレント、トーキーから総天然色へと進化し移り変わる。
まさに<キネマの玉手箱>!

3人はタイムリープした「戦争映画」で出会った無垢な人たちの死を目の当たりにしていく。彼らにとっては《映画という虚構の世界》だが、登場人物たちにとっては《本物の戦争世界》。3人にも「死」というものがリアルなものとして迫りくる。
愛すべき人たちを救いたい!そんな願いを募らせていく---。

そして最後の上映作品。昭和20年、移動演劇「桜隊」のメンバーとして合流した3人は8月6日の広島に向かう。
彼らは「桜隊」を救うことが出来るのか。
現実の映画館に戻って来られるのだろうか。

監督:大林宣彦

出演:厚木拓郎  細山田隆人  細田善彦  吉田 玲(新人) 成海璃子  山崎紘菜  常盤貴子

高橋幸宏 小林稔侍 武田鉄矢 村田雄浩 稲垣吾郎 浅野忠信 渡辺裕之 片岡鶴太郎 南原清隆 品川徹 入江若葉
伊藤歩 寺島咲
尾美としのり 柄本時生 蛭子能収 根岸季衣 渡辺えり 手塚眞 犬童一心 長塚圭史 本郷壮二郎 川上麻衣子 大森嘉由之 満島真之介 窪塚俊介 中江有里 白石佳代子 笹野高史 井川比佐志 犬塚弘

製作:「海辺の映画館―キネマの玉手箱」製作委員会(吉本興業/TANAKA/バップ/アミューズメントメディア総合学院)
製作協力:大林恭子 エグゼクティブ・プロデューサー:奥山和由
企画プロデューサー:鍋島壽夫 脚本・編集:大林宣彦 脚本:内藤忠司/小中和哉
音楽:山下康介 撮影監督・編集・合成:三本木久城 VFX:塚本陽大 美術監督:竹内公一
照明:西表燈光 録音:内田 誠 整音:山本逸美
配給:アスミック・エース 製作プロダクション:PSC
©2020「海辺の映画館―キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

2020年4月、全国公開

フォトギャラリー

厚木拓郎
厚木拓郎
細山田隆人
細山田隆人
細田善彦
細田善彦
山崎紘菜
山崎紘菜
常盤貴子
常盤貴子

吉田玲

常盤貴子

海辺の映画館―キネマの玉手箱

海辺の映画館―キネマの玉手箱
台本

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]