映画『シスターフッド』
兎丸愛美

生きづらさを抱える女性から、多くの共感を得ている、ヌードモデル・女優の兎丸愛美。
彼女が出演する映画『シスターフッド』(公開中)は、そのテーマを“女性の生き様・生き方”としており、ドキュメンタリー部分では、兎丸自身の“生きづらさ”も描かれています。
そんな兎丸愛美さんに、ご自身の生きづらさについて以前と今とで変わったこと。それについて多くの女性から共感が寄せられる理由。また、普段の過ごし方や、取り組まれている写真撮影のこと、今後の目標などを伺いました。(フォト&兎丸さんメッセージ動画)

兎丸さんの日常

今日食べたごはん

– 今日はよろしくお願いします。先日、「(インタビューでは)今日食べたごはんの話とかしたい」とツイートされているのを見かけました。
ですので、まずはこの質問から(笑)
今日、何を食べましたか?

兎丸愛美
今日は、YouTube(「活弁シネマ倶楽部」)の収録のあとに、みんなと喫茶店のカレーライスを食べました。
いろいろとスパイスを調合したカレーよりも、喫茶店のお母さんがつくったお手製のカレーとか、家庭でつくるような普通のカレーが好きです。

– ご自身で料理も作ったりしますか?

兎丸愛美
はい、自炊はよくします。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

心地よくいられる服が好き

– 定番アイテムや好きなブランドに関するツイートをみたのですが、どんな服が好きですか?

兎丸愛美
ごちゃごちゃしたものとか重ねたりとかはあまり好きじゃないですね。
なるべく動きやすく、心地よくいられる服が好きです。
ありのままというか、シンプルなものが好きです。
やはり、冬は暖かさ重視、夏は涼しさ重視という感じ。

あ!ひとつこだわっていることがありました。絶対に洗濯機で洗えるものを選びます!

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

休日の過ごし方

– 休みの日はどんなことをして過ごしていますか?

兎丸愛美
家でごろごろしていたり、ひとりで映画館に行ったり、友だちと飲みに行ったり、写真を撮りに行くことも多いですね。

流れに逆らって生きたいので川が好き

– 心が落ち着く場所や安らぎの場所はありますか?

兎丸愛美
以前、多摩川の近くに住んでいたので、川が好きです。
海につながっていく感じとか、その過程…流れというか。海が最後だとしたら…なんていうのかな。人生の…。

– 人生の縮図?

兎丸愛美
そうですね。人生がそこにある。
私は、流れに逆らって生きたいみたいな気持ちもあるので、川が好きです。

– 『シスターフッド』に出てくる猫がたくさんいる公園は、探して行ったのですか?

兎丸愛美
いいえ、あれは以前住んでいた場所から15分ほどのところにある公園でした。
猫が好きで仲良しだったんですけど、映画の中だと、すごい勢いで逃げられています。
猫に無視されたりしているのは監督のせいです(笑) いつも仲良しだったんですよ。
猫は大好き。あの時は逃げられてとても寂しかったです。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

女性が共感する理由

– 女性が兎丸さんに共感されているコメントをよくみかけます。女性からいただくメッセージなどがあると思いますが、どういった点に共感されているか、また、どこに共感されているとご自身で考えますか?

兎丸愛美
みなさん、生きていく中で、我慢することがたくさんあって。我慢する生活を送っていくなかで、私が写真の中で笑ったり、泣いたり、怒ったり、感情をあらわにしている点に共感してくださっているように思えます。
「自分の代わりに感情をあらわに、表現してくれるから安心する。」といったメッセージをいただくたびに「あぁ、自分だけじゃないんだ。」ってわたしも安心します。
もともと、私は自分自身を押し殺して生きてきたので、本当はみんなも感情をあらわにして生きていきたいんじゃないかなと思っています。

映画『シスターフッド』と“生きづらさ”

– それでは作品のことも伺いたいと思います。ズバリ、映画『シスターフッド』はどんな映画ですか?

兎丸愛美
もともとはドキュメンタリーだけで作られる予定だったのですが、そこにフィクションを混在させた不思議な映画です。
タイトルから、女性の映画って思いがちですが、男性も共感できる作品になっているんじゃないかと思います。
きっと、男性も生きづらさを感じていると思うし、作品を観て、自分の幸せについて考えるきっかけになったらなと思います。

生きづらさの変化。ヌードモデルになる前と後

– “生きづらさ” という点で、ヌードモデルになる前と後とで、どう違いますか?あるいはどう変わりましたか?

兎丸愛美
ヌードモデルになる前の生きづらさは、“女性としての生きづらさ”というものを感じていて。
自分が自分のために生きている感じがあまりしませんでした。
私にとっては、誰かのために生きている感じ、その誰かっていうのは…男性。
当時の私は男性のために生きている、自分の体が男性のためにある…って思うくらい、SEXに溺れていて。
それは自分でしていたことだけど、やっぱりそういう自分が大嫌いで。SEXが自傷行為のようになっていました。
そういう自分とおさらばしたいと思って、裸を自分のものにしたくて、遺影を撮ろうと思ったんです。
自分の裸を閉じ込めるというか、真っ白な状態で写真に写って、「これで昔の自分におさらばしよう」というみたいな気持ちになって写真を撮りました。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

初めて裸を撮った2年後、「心も裸にして生きていきたい。」という気持ちを込めて、ヌードモデルという肩書きで活動を始めました。
そして、ヌードモデルになった今は、“前向きな生きづらさ” を感じています。
私には大切なものが増えました。例えばお仕事を認めてくれる両親、支えてくれる恋人やファン、友だちとか、そういう大切なものが増えたことによって、ヌードモデルを始めたころと比べると自由度は下がったと感じています。
でも、それを守るためだったら、多少生きづらくってもいいと思っています。

– ただ“脱ぐ”だけじゃなくて、“脱ぎ捨てる”という感じを受けました。服が拘束具というか、ご自身の力を押さえつけていたんじゃないかっていうイメージがします。現在は、“ありのままの姿”が表現できている気がします。
すなわち、守るものが増えた分、自身の行動・ふるまいや言動が、時として自分だけのものではなくなった…それを今の生きづらさと捉えました。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

自分で写真を撮るということ

– 「写真と出会うまでは好きなものがなかった」という書き込みを見つけました。今は、ご自身でもカメラを手に入れて撮影をされていますが、ご家族や学生時代に写真はあまり撮らなかったのでしょうか?

兎丸愛美
兄弟が多くて、私、末っ子なんです。なので、必然的に写真を撮られる機会があまりなかったですね。
一番上の姉は写真がいっぱいありましたが、私はそんなに写真を撮られてきたっていう感じがないです。
運動会とか、お遊戯会とかでもあまり撮られた写真がないという。
写真とそんなに深く関わってこなかったですね。
私自身も、いま、みんなが撮るような“ご飯の写真を撮る”とかはしないのですが、19歳の時に、突如、写真と出逢いました。

– 子どもの頃からの反動で、新鮮な気持ちで写真と向き会えたということでしょうか。

兎丸愛美
写真に救われてしまったんです。

「おまえの助けなんかいらない」

写真展のタイトルに込めた意味

– 映画と同時開催されている写真展(注 3/4で終了)「おまえの助けなんかいらない」について。このタイトル「おまえの助けなんかいらない」はどのように決めましたか?

兎丸愛美
このタイトルを決めるときは、写真を撮ってくれた希沙ちゃん(写真家 豊嶋希沙)といろいろ悩みました。
「素直に生きる」という案に、書き初めみたいだねと言ってみたり。
タイトルに含まれる“おまえ”っていうのは、ヌードモデルっていうだけで、私のことを「こいつは病気だ」とか「頭がおかしい」とか、ヌード・裸になっているということだけで、私のことを判断するような人たちのことで、タイトルはその人たちに向けた言葉です。
どういう気持ちで、心ない言葉を言ってくるのが理解できなくて。
それはそういう人たちを私が理解できないことと一緒だと思うんですけど。

– このタイトルを決めた後に、Twitterで補足するように、言葉を付け加えていらっしゃいましたよね?

兎丸愛美
はい。「(おまえの助けなんかいらない)私は、私を信じてくれる人と支えあいながら生きていく」ですね。

– この付け加えられた言葉があることで、優しい気持ちや決意を感じました。なので「おまえの助けなんかいらない」は、タイトルにインパクトがあるとともに、きちんとした思いがあると感じました。

兎丸愛美
人は人。私は私。当たり前のことをみんな認識できているようで、認識できていなくて、だから嫌なことを言ってくるんだろうし。勝手に、不幸だとか、かわいそうだとか思っているけど、「私はこんなに幸せなんだよ」っていうのを見せたくって、あの写真に「おまえの助けなんかいらない」というタイトルをつけました。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

これからのこと。目標

– 「写真家さんを指名してお仕事がしたい」とか「自分自身でも写真を撮る」を目標にされていましたが、その思いは?

兎丸愛美
私はモデルなので選ばれる側なんですけれど。撮影の時に時々違和感を感じることがあるんです。
もちろんカメラマンさんも撮りたくないものを撮らなくてはいけないことがあるのはわかるのですが「この人、別に撮りたくないんだろうな」っていう瞬間があると私もあまり気が乗らなくなってしまうんです。そうすると、あまり良い作品が撮れなかったりします。
いろんな写真を見てきて、いろんな写真家さんと出逢ってきて、その人の写真の魅力を理解しているつもりです。
なので、その写真家さんに合った撮影でその写真家さんの魅力をもっと伝えられたらいいのになと漠然と思っています。
写真家さんを指名するというのは、きっと私が有名にならないとできないので…。
有名人の方はよくあるじゃないですか、“ご指名!”みたいな。カメラマンは、誰じゃなきゃイヤみたいな(笑)
そういうことができたらいいですよね。今までお世話になった方々にお仕事を依頼できるようになりたいです。がんばります!

– ご指名といえば、インベカヲリさん(写真家)に一度、撮影のお願いをされていましたね。

兎丸愛美
指名というか、作品を撮って欲しいと自分からメールしました。
なので、インベさんとは仕事ではなかったですね。作品を撮って欲しくてお願いしました。
あと、撮られるだけじゃなくて、撮る方もやりたいです。
写真の技術的な部分は本格的に勉強したことはないんですけれども、まわりに写真家さんが多いので、わからないことがあると、いちいち聞いています。「これどうやるの?」って。

– 「撮りたい人がいてカメラを買ったけど…」ってつぶやいていらっしゃいましたよね。

兎丸愛美
はい。撮りたい人がいたんですよ…。でも撮れなくって。
いま、写真を撮っている人たちに、撮れている幸せをかみしめてほしいなって思います。
私も次に好きな人を写真に撮るときは、幸せを感じながら撮るんだろうなって思います。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

映画を観る方々へのメッセージ

– それでは最後に、自己紹介と映画について、ご覧になる方々へのメッセージをお願いします。

兎丸愛美
映画『シスターフッド』に出演している兎丸愛美と申します。
この作品は、ドキュメンタリーとフィクションが混在した不思議な映画です。
タイトルからして、フェミニズムの作品だと思われると思うんですが、最終的には幸せについて考える作品となっています。
自分の幸せとか、誰かの幸せとかを考えていただけたら嬉しいなって思います。
どうぞよろしくお願いします。

兎丸愛美 - 映画『シスターフッド』

映画『シスターフッド』

あらすじ

東京で暮らす私たち。
ドキュメンタリー映画監督の池田(岩瀬亮)は、フェミニズムに関するドキュメンタリーの公開に向け、取材を受ける日々を送っている。池田はある日、パートナーのユカ(秋月三佳)に、体調の悪い母親の介護をするため、彼女が暮らすカナダに移住すると告げられる。
ヌードモデルの兎丸(兎丸愛美)は、淳太(戸塚純貴)との関係について悩んでいる友人の大学生・美帆(遠藤新菜)に誘われて、池田の資料映像用のインタビュー取材に応じ、自らの家庭環境やヌードモデルになった経緯を率直に答えていく。
独立レーベルで活動を続けている歌手のBOMI(BOMI)がインタビューで語る、“幸せとは”に触発される池田。
それぞれの人間関係が交錯しながら、人生の大切な決断を下していく。

・予告編

出演:
兎丸愛美 BOMI 遠藤新菜 秋月三佳 戸塚純貴 栗林藍希 SUMIRE 岩瀬亮
監督・脚本・編集:西原孝至
製作・配給:sky-key factory
(c)2019 sky-key factory
公式サイト:https://sisterhood.tokyo

アップリンク渋谷にて公開中ほか全国順次公開

映画『シスターフッド』

映画『シスターフッド』

[写真・記事:Ichigen Kaneda/構成:Jun Sakurakoji]

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