のんシガレッツ/ファースト・ライブ

5月8日、渋谷クラブクアトロで、ファーストワンマンライブ「のんシガレッツ/ファースト・ライブ」が行われた。
このライブは、同日までGALLERY X BY PARCOで開催されていた「‘のん’ひとり展 -女の子は牙をむく-」のクロージングイベントの位置づけもある。
ミュージシャン・のんとしては、2017年末ののんフェス以来の本格的なライブ。そこには更に成長したのんが、そして「牙をむく」の答えがあり、他の誰もなし得ない、のんだからこそ実現できた「‘のん’ワールド」が繰り広げられていた。
更に、スーパーヒーローなゲストアーティストも出演し、ソールドアウトで満員となった会場の盛り上がりは重大発表で頂点に達した。[写真提供(27枚):KAIWA(RE)CORD]

女の子は牙をむく

ひとり展の記者会見で、“牙をむく”の意味について問われたのんさんは「女の子の無鉄砲なパワーを表しているといい、やりたいと思ったことはやらずにいられない、その時の気持ち。」と答えていた。
当サイトは、言葉としては理解しているつもりだったが、8日のワンマンライブでまさにその答えを体感することになった。
ライブが始まると、そこには、いつも記者会見などで慎重に言葉を選びながら回答するのんはおらず、ワルイちゃんと化し、牙をむいた状態ののんさんがいたのだ。
「のんだよ!のんシガレッツだよ!」「わーい、楽しい!」「やったー!」と何度も口にし、終始楽しそうなのんさん。
この日、ゲストとして出演した高野寛さん、大友良英さんとMCでトークしている時も、イタズラっ子な女の子が「ヘヘっ」と笑う感じで、やりたいことをやってるぞ!という雰囲気で楽しげに会話していた。

“のん”に皆が惹き込まれ、引き出される。

今回のライブで特に印象的だったのが、ファーストシングル「スーパーヒーロー」を制作した高野寛さんのこの言葉だ。
「自分で言うのもなんだけど、ほんといい曲できたなぁ。でもそれはのんちゃんが僕から引っ張り出してきてくれたもんなんだよね。」
「いろんなスーパーヒーロー達が曲を提供していますけど、みんなやっぱりのんちゃんが引っ張ってる。」
まさしく言い得て妙だ。
当サイトも、これまでのんさんを取材させていただいて感じたのは、それはスタッフを含めて、のんさんに関わる方々は、みんな彼女に惹きつけられて、各々が持っているモノの一番いいところを引き出されていく現象が起きているなぁということ。
5月9日にリリースされた1stアルバム「スーパーヒーローズ」はその集大成とも言える。
楽曲はもちろん、MV、ひとり展なども含めて。

のんは止まらない。努力と共に。

「自分がやりたいことをやり続けれていれば周りが諦めてくれるのよ」
以前、矢野顕子さんから聞かされたこの言葉に触発されたというのんさん。その言葉通り“のんは止まらない”。そして常に進化し続けている。
のんさんに付いていくスタッフは大変なところもあるかもしれないが、恐らく、のんさんはこれまで誰もなし得なかったことをやり遂げつつある過程だという実感があるからだろうか、全力でサポートしているのも伺える。
そしてなんといっても、一番全力を出しているのは、やはり“のん”だ。
のんさんに近い方に聞くと、彼女は自分がやりたいことを責任持った形として成立させるための努力も怠らないという。
先程“進化し続けている”と書いたのはそこで、のんフェスからファーストワンマンライブへと、明らかな進化があり、今夏に予定されている5大都市ツアーでは、更に進化すべくのんさんは努力し続けているという。
その“のんの進化”がひとつの形となって表現された今回のライブは、歴史的なライブであったと、後日振り返る日がきっとくるに違いないと感じた。

ライブレポート

それでは、セットリストに沿って、MC中心にライブの模様をレポートする。(本章の後に、のんさんのメッセージも掲載)

ソールドアウトとなり、観客がギッシリと詰まった渋谷クラブクアトロ。BGMとして、ザ・ビートニクスの5月9日発売ニューアルバム「EXITENTIALIST A XIE XIE」が流れる。
予定より7分遅れの19時7分、1分のオープニング映像が流れ、場内を盛り上げる中、赤いマントでさっそうと登場したのん。開演を待ちわびた会場は一気にヒートアップ。

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

M1. 正直者はゆく

曲が終わると赤いマントを脱ぐのん。

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

のん
こんばんはー!のんだよ!のんシガレッツだよ!盛り上がっていきましょう!
「あることないこと」ー!

M2. あることないこと

のん
センキュー!こんばんはー!のんだよー!
のんシガレッツだよ!
今日は、のんひとり展女の子は牙をむくという個展のクロージングイベント&明日、ファーストアルバムリリースっていう記念の初ワンマンライブです!!!
来てくれてありがとう!

この間も観客からの「のんちゃーん!」という掛け声がとまらない。

のん
今日は満員みたいなので後ろの人もつめてみんなで楽しみましょう!
次の曲は矢野顕子さんに作っていただいて、5月2日に先行配信させていただいて、すごい素敵で大事な曲なので、みなさん、楽しんで聞いてください。

M3. 私はベイベー
M4. My Day
M5. 私の大好きな歌

のん
センキュー!どうも!
私はベイベー、My Day、私の大好きな歌、私シリーズの3曲を聴いていただきました。


まいりました!

のん
ありがとうございます。嬉しい。いえーい(客:いえーい)、うぉー(客:うぉー)
ありがとうございます。(客:(笑))
次の曲はですね、のんのファーストシングルをやりたいと思います。むちゃくちゃかっこいい。
皆さん、聴いてください。スーパーヒーローになりたい!
(イントロが始まる)
ここで、一人目のスーパーヒーローを呼びたいと思います!
スーパーヒーロー!高野寛!!

のんの呼び込みと共に、イントロのギターリフを弾きながら登場する高野寛。
オリジナルより少し長めのリフで、会場は更に盛り上がる。

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

M6.スーパーヒーローになりたい

高野 寛
のんちゃん、ファーストライブおめでとう!
そしてアルバム完成、おめでとう!

のん
ヤッター!ヤッター!
ありがとうございます。

高野 寛
どんな気分?

のん
すごい嬉しいです!
高野さんにはファーストシングルの「スーパーヒーローになりたい」を作っていただいて。

高野 寛
自分で言うのもなんだけど、ほんといい曲できたなぁって(笑)
でも、それはのんちゃんが僕から引っ張り出してきてくれたもんなんだよね。

のん
わー、めっちゃ嬉しいです。ありがとうございます。
いえーい!
引き出した(笑)

高野 寛
いろんなスーパーヒーロー達が曲を提供していますけど、みんなやっぱりのんちゃんが引っ張ってる。

のん
ホントですか?
嬉しい・・・

ここで、本気で感激したのんちゃん、しばらく噛みしめるように静かになる。

高野 寛
元気ですか?(笑)

のん
なんか、ホントに嬉しくなっちゃった!元気出さなきゃ!!
高野さんとは昨年の「WORLD HAPPINESS 2017」で初めてご一緒させていただいて。

高野 寛
あの会場のお客さんは8000人くらいだったのかな。
そこで、のんちゃん、最初はコトリンゴさんと「悲しくてやりきれない」という静かな歌を歌って、その後、幸宏さんのバンドで「タイムマシンにおねがい」に登場して。
僕も経験あるんですけど、盛り上がっているところに飛び入りするのはすごいプレッシャーなんですよ。
でも、のんちゃんはバッチリでした。

のん
すごい楽しかったです。

高野 寛
緊張したじゃなく、楽しかったって言えるところがのんちゃんのスゴイところなんです。
その時ののんちゃんの印象があって、「スーパーヒーローになりたい」って曲が生まれたんです。

のん
へへっ(笑)

高野 寛
では、「WORLD HAPPINESS 2017」でもやったこの曲をやりましょう。

M7.タイムマシンにおねがい

歌詞の“おねがい”のところで、マイクを観客に向けるのん。
会場全体で、“おねがい”の大合唱。

のん
高野寛さんでしたー!
かっこよかったー
楽しーい!!

のん
次の曲は、 「WORLD HAPPINESS 2017」の時にのんが初めて出した音源があって、「オヒロメパック」っていうカセットなんですけど、そのA面に「タイムマシンにおねがい」が入っていて、B面に入っている曲です。
その曲のレコーディングの時はチャボさん、仲井戸麗市さんのギターとのんの歌で二人っきりでレコーディングして、すごい音源になりました。
聴いてて嬉しくなる曲なので、みんな、楽しんで聴いてね。

M8. I LIKE YOU

のん
次はですね、ちょっとアコースティックな感じをやりたいと思います。
尾崎亜美さんに作っていただいた曲で、素敵なバラードなので、皆さん、楽しく聴いてください。

M9. スケッチブック

のん
ありがとう!
ここで、二人目のスーパーヒーローを呼びたいと思います!
スーパーヒーロー!大友良英!

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

大友良英
どーもー、大友良英です。
いい曲でしたねぇ、今の曲。泣けてきました。いやもう、満足しちゃった。

のん
えぇ~?これから・・・

大友良英
これから?

のん
はい、お願いします!
次は、大友さんに作っていただいた曲です。

M10. おやすみ

記事註:この曲でのんさんが持っていたタマゴ型の楽器は、「おきあがりムックリ」という赤ちゃん用玩具!どんな音色を奏でるのかは、この商品名で是非検索してみてください。写真は実際にのんさんが演奏していたもの。

優しく歌い上げるのん。
そこに、大友良英のセミアコースティックギターの甘い静かな音色が重なる。

大友良英
今の曲は僕とSachiko Mさんとで作ったんです。Sachiko Mさん、今日、会場のどっかにいます。

大友良英
ども、ご無沙汰しております。

のん
ご無沙汰してま~す。

大友良英
この近くの放送局でやってた時以来?

のん
その時依頼のお仕事をご一緒させていただいて、ありがとうございます。

大友良英
あの頃、のんちゃんが成功したら是非私に仕事くださいって言ってたんですが、やっと今実現して。助かります。ありがとうございます!

のん
こちらこそですね、ほんとに。

大友良英
このバンドもツアーしたらいいんじゃないの?

のん
やりたいですねぇ
アルバムツアーしたいなぁとは思っているんです。

大友良英
しよしよ!って俺が言うことじゃないけど(笑)
でも、そのツアー、俺も連れて行ってよ。
俺、免許持ってるから運転手もやるよ。

のん
連れ回してもいいんですか?
西から東へ。

大友良英
行きてぇ。

のん
やったー!すごい、オファーされた。

大友良英
是非、運転手で。いい運転するよ。

のん
じゃ、運転手で(笑)

のん
さて、静かな曲が続いて眠くなったところで。

大友良英
目を覚まさす?

のん
目を覚まさせましょう!

大友良英
ヨッシャー!

のん
みんなで走りましょう!
それでは聴いてください!いきますよ!RUN!!!

ラスト4曲を一気に演奏し、会場の興奮はピークに。
手を振り上げる者、ステップを踏んで踊っている者、歓声をあげる者、その盛り上がりは、のんだけでなく、観客ものんライブの楽しみ方を進化させているようだった。

M11. RUN!!!
M12. へーんなのっ
M13. ストレート街道
M14. さぁいこう

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

のん
ありがとうございました!のんシガレッツでした!
(メンバー紹介)
そしてのんだよー
ありがとうございました!
じゃぁねー!ありがとうございました!

アンコール(リクエスト)

ここで、スクリーンに重大発表として、今夏に5大都市ツアー(宮城、大阪、広島、福岡、9月30日の日比谷野外音楽堂)が行われることが発表され、場内は驚きと歓声に包まれた。
(記事註:詳細は、のん公式サイトで順次発表予定)

のん
いえーい、ありがとう!
あ、なんか重大発表されましたね。
決まりましたー!嬉しい!
野音が決まりまして。ツアーでも回りますので来てね!

のん
もう一度出てきたのでなにかやりたいんですけど、アンコール用意してなくて、全部曲を出し切っちゃったので、
皆さんが聴きたい曲を演奏しようかなと。

ここでいろんな声がかかる。

のん
では、一番最初に声がかかった「へーんなのっ」をやりたいと思います。
ほんとのほんとに最後です!盛り上がっていきましょう!

のんシガレッツ/ファースト・ライブ

アンコール:へーんなのっ

2016年9月、台風被害に遭った岩手県久慈市に、渡辺えりさんと共に慰問に訪れた時。
「あの道に落ちてる石ころがへんだ~」と一節歌いつつ、こういう曲を作りましたと語ったのんさん。
その時、隣りにいた渡辺えりさんも集まっていたお客さんたちも「一体どんな曲なんだろう」という印象を持っていたはず。
2017年9月の久慈秋まつりの時のインタビューで、この曲をスタートとしてKAIWA(RE)CORDを発足したと語っており、実は怒りの感情にまかせて作った曲でもあるという。
そういう生い立ちの曲が、今日、アンコールで歌われているのだ。
ちなみにのんさんが歌詞で気に入っている箇所は「あのジュースのリニューアルはへんだ~」だそう。

のん
センキュー!
ありがとうございました!のんシガレッツでした!
そしてスーパーヒーローのお二人を呼びたいと思います。
高野寛さん、大友良英さん!
ありがとうございました!
またね~!!

のんシガレッツ
Vocal&Guitar:のん
Drums:若森さちこ(さっちん)
Guitar:ヒグチケイ(ケイちゃん)※オリジナルメンバー、当日欠席
Guitar:弓木英梨乃[KIRINJI]※スペシャルゲスト
Bass&バンマス:岩崎なおみ(なおみち)

ゲスト
Guitar:高野 寛
Guitar:大友良英

ワルイちゃんから“のん”へ。

ライブ後、撤収作業が進む会場内で、のんさんの関係者への挨拶を拝見させていただくと、その時ののんさんは、さっきまでのワルイちゃんから、普段の?のんさんに戻っているようにも見えた。

のん
皆さん、ほんとに今日は来ていただいてありがとうございました。
めちゃめちゃ緊張してたんですけど、すごく楽しくて、ノリノリで頑張りました。
今は良かったなぁって思っています。

NB Press
のんフェスの時と比べてどうでしたか?

のん
のんフェスの時もかなり楽しかったんですけども、今回はあの時よりも曲数が増えて、持ちこたえられるか不安もあったんですけど、最後までいけてすごい良かったです。
楽しかったぁ。ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします。

ライブ中もライブ後も「楽しい」という言葉を何度も口にするのんさん。
今日のお客さんもとても楽しそうだったし、まさしくのんシガレッツとお客さんが一体になったライブだった。

ちなみに、のんさんをサポートするアーティスト陣を見ると、80年代カルチャーに接してきた世代には馴染み深いものであるのは確かだが、ライブに来場されていた中森明夫氏は、ライブ後、次のようにのんさんのライブを大絶賛されていた。
「のんちゃんのやっていることは、80年代でもなく90年代でもない。“のん年代”を作ろうとしていることだ。のんちゃんにしかできないことをやっている。」

今夏の5大都市ツアーも発表され、更に進化しているであろう“のん”を、ワルイちゃんになって牙をむいた“のん”を是非目撃していただきたい。

フォトギャラリー

[記事:Jun.S、校正:Ichigen Kaneda、写真:KAIWA(RE)CORD]