『サザエさん』の制作でおなじみの老舗アニメ制作会社「エイケン」が、昭和33年(1958年)から続いた三木のり平をアニメ化した桃屋のTV CMシリーズをこのほど復刻制作したことがわかった。
これは、桃屋「のり平アニメ」CM 誕生60周年記念の一貫で、2018年1月5日より全国オンエアされるほか、当時のセル原画などを展示した「のり平アニメ展」も開催される(入場無料)。

2018年に誕生から60周年を迎える、桃屋「のり平アニメ」

昭和の大俳優・コメディアンの三木のり平さんをアニメ化した「のり平アニメ」の誕生

三木のり平
三木のり平さん

昭和33年(1958年)、テレビドラマすらまだ生放送だった時代、当然ながらCMもスタジオで女性が商品を説明する「生コマーシャル」を発信する時代だった。
当時、TV CMは「トイレタイム」と呼ばれ「面白くない退屈なもの」というイメージが強かったかなか、CMで「番組」並みに面白いものを作ろうという発想から、新聞広告に起用していた「三木のり平さん(1924年4月11日 – 1999年1月25日)」をアニメ化し、誰もが知っている話をパロディーにするところから作品が誕生した。

記念すべき第1作目は「助六」篇。
江戸歌舞伎の宗家 市川團十郎の家に伝わる歌舞伎十八番『助六所由縁江戸櫻(すけろくゆかりのえどざくら)』に登場する「助六」が締めている鉢巻が江戸紫だったことから、商品名は「江戸むらさき」に。
そして最初のアニメCMは「助六」篇となった。
そこから2012年まで間断なくCMは続いたが、一旦の小休止を経て2018年、誕生60周年を記念して、昭和48(1973)年の「ごはんですよ!」発売当時にオンエアされた「オムニバス」篇と、昭和55(1980)年から最も長期間に渡ってオンエアされた「川柳」篇(商品:江戸むらさき ごはんですよ!)を、老舗アニメ制作会社「エイケン」の技術によってデジタル映像で加工され、完全復刻を果たすこととなった。

 

デジタル時代ならではの復刻苦労秘話

今回、復刻版アニメ制作を請け負ったのは、昭和44年(1969年)創業の老舗アニメーション会社「エイケン」。
今でも『サザエさん』の制作で知られているこの会社は、古い時代のクリエイティブも理解し、さらに今も人気アニメ番組のアニメーションを手掛ける第一線の技術集団。

「フィルム時代の発色と質感。それと動画の動きの完全再現という条件で最初の制作打ち合わせが行われました。
アナログ作品をデジタルでリメイクをするという難題にデジタル世代の若いスタッフは、試行錯誤のスタートでした。
色彩に関しては、現存する過去の参考ムービーの見た目で色を決めようとしましたが、参考にするムービー自体が劣化している感じで色の調整も微妙にバラツキが合った為、どれを基本とするか迷いました。

桃屋「のり平アニメ」新CM -「川柳 寝ぼすけ」篇
リメイク前
桃屋「のり平アニメ」新CM -「川柳 寝ぼすけ」篇
制作過程
桃屋「のり平アニメ」新CM -「川柳 寝ぼすけ」篇
リメイク後

また、当時の撮影で使ったセル画の資料を参考にしようとしましたが、実際のセル画が想像以上に明るい色で現在は使用していない蛍光ピンクのような色もあり、過去の参考ムービーとこんなに違うものかと驚きましたが、過去のCMを実際に見ていた世代の先輩たちのアドバイスを頂きながら作業を進めました。
結果、今のセル画の色彩条件に合わない色があったりしたので、参考ムービーの劣化がなかった場合と資料のセルの色彩を参考に想像しなおかつ、昭和っぽいくすみを入れた色で再現をしました。
デジタル制作で、デジタル特有の発色が出ないようにする事が一番苦戦しましたが、背景美術も、PCで彩色をせず手書き彩色で忠実に再現してセル画とマッチングさせ今回の作品に仕上がりました。」

桃屋「のり平アニメ」新CM -「オムニバス マラソン」篇
リメイク前
桃屋「のり平アニメ」新CM -「オムニバス マラソン」篇
制作過程(その1)
桃屋「のり平アニメ」新CM -「オムニバス マラソン」篇
制作過程(その2)
桃屋「のり平アニメ」新CM -「オムニバス マラソン」篇
リメイク後
桃屋「のり平アニメ」新CM -「川柳 寝ぼすけ」篇
リメイク前
桃屋「のり平アニメ」新CM -「川柳 寝ぼすけ」篇
リメイク後

桃屋「のり平アニメ」新CM

声の出演:三木のり平
TVCMオンエア日:2018年1月5日(金)
オンエア地域:関東、関西、中部、福岡、北海道、山形、福島、新潟、長野、富山、石川、福井、岡山香川、広島、愛媛、高知、沖縄

桃屋 ごはんですよ!「オムニバス マラソン」篇(15秒)

桃屋 ごはんですよ!「川柳 寝ぼすけ」篇(15秒)

桃屋 ごはんですよ!「川柳 長電話」篇(15秒)

桃屋「のり平アニメ」CM 誕生60周年記念!「のり平アニメ展」開催

過去の原画や作品を展示

桃屋は、「のり平アニメ」CM 60周年を記念して、これまでの「のり平アニメ」のセル画や三木のり平氏のイラストなど50点以上を展示し、一般公開する「のり平アニメ展」を開催する。
これまでの作品の歴史を、当時を懐かしみつつ、またアニメ作品の技術の進歩を感じながら、鑑賞することができる。
開催期間中は、同じく2018年に45周年を迎える「江戸むらさき ごはんですよ!」と、「香ばし葱油味 穂先メンマ」の2本セットを桃屋「のり平アニメ」CM 誕生60周年にちなみ、先着60名にプレゼントされる。

桃屋「のり平アニメ」CM 誕生60周年記念!「のり平アニメ展」
開催日時:2017年12月27日(水)~12月28日(木) 11:00~18:00
会場:「石川画廊」(東京都中央区銀座7-7-8)
入場料:無料