地下鉄車両1001号車 - 機械遺産第86号認定

日本初の地下鉄車両が機械遺産第86号認定へ

東京メトログループが運営する地下鉄博物館(愛称「ちかはく」)所蔵の「日本初の地下鉄車両1001号車」が、2017年8月7日(月)に一般社団法人日本機械学会より「機械遺産第86号」として認定されることが決まった。

「機械遺産」とは、歴史に残る機械技術遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本国内に現存する機械技術面で歴史的意義のある遺産を同学会が認定するものであり、2007年より継続的に実施され、昨年度までに83件が認定されている。

今回、1001号車は、次の2点が評価され、東京メトログループの所有物において初めて認定されることになった。

①「1927年12月に東京地下鉄道が東洋初の地下鉄として営業を開始した上野~浅草間2.2kmを走行した車両を当時のままに復元しており、資料的価値が高いこと」
②「国内初の打子式ATS(自動列車停止装置)が装備されているなど国産地下鉄の技術発展の基礎を示す車両であること」

今後、「機械の日」である8月7日(月)に東京大学情報学環・福武ホールにて開催される日本機械学会主催の認定式をもって正式認定される予定。

地下鉄車両1001号車 - 機械遺産第86号認定

1001号車外観

 

地下鉄車両1001号車 - 機械遺産第86号認定

1001号車内観

機械遺産認定「日本初の地下鉄車両1001号車」概要

車両の主な特徴
■車体は全鋼製(ドア・窓枠等一部を除く)
車体の難燃化を図るため、当時主流であった木製車両ではなく、鋼鉄が用いられました。
■日本初!自動列車停止装置を装備
日本で初めて自動列車停止装置(打子式ATS)を搭載し、安全性の向上を図りました。
■当時では珍しかったドアエンジンを搭載
当時鉄道省で試験されていた国産の自動戸閉装置を搭載し、全扉の開閉を自動化しました。
■吊手はリコ式(スプリング式)を採用
使用しないときは、ばねで跳ね上がり、走行中に左右に揺れない構造のリコ式吊手を採用しました。
■客室灯はおしゃれな間接照明を設置
地下という環境を考慮し、直接光が入っても眩しくなく、影が出来ないよう間接照明を採用しました。

なお、製造は1927年11月。
同年12月30日より、上野~浅草間で営業開始し、1968年4月に引退。

地下鉄車両1001号車 - 機械遺産第86号認定

東京地下鉄道社紋と車番

 

地下鉄車両1001号車 - 機械遺産第86号認定

リコ式吊手と間接照明

 

地下鉄車両1001号車 - 機械遺産第86号認定

予備灯とドア開閉スイッチ

地下鉄博物館について
1 場  所  〒134-0084 東京都江戸川区東葛西6-3-1
2 アクセス  東京メトロ東西線 葛西駅高架下
3 開館時間  10時~17時(入館は16時30分まで)
4 休館日  毎週月曜日(祝日・振替休日となる場合はその翌日)
年末年始12月30日~1月3日
5 入館料  おとな 210円 こども100円(満4歳以上中学生まで)
6 電  話  03-3878-5011(10時~17時)
7 H P http://www.chikahaku.jp/

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