柄本佑×瀧内公美が、身体の言い分に身を委ねる男と女の<R18>大人の愛の物語、『火口のふたり』。ロマンポルノを支え、キネマ旬報脚本賞に5度輝き、数々の作品で男と女のエロティシズムを表現してきた脚本家・荒井晴彦が描く世界。
9月2日、女性限定特別上映会トークイベントが新宿武蔵野館にて行われ、主演のひとり瀧内公美、そしてライフ&カルチャーメディアShe is編集長の野村由芽が登壇した。

映画『火口のふたり』が先日公開を迎え、各劇場で満席回が続出し、現在、新宿武蔵野館ほかにて大ヒット全国公開中。
本作は、『寝ても覚めても』『愛がなんだ』などに続いて、“鑑賞後に語りたくなる映画“恋愛観・人生観によって、捉え方が異なる”とSNSで話題になり、最近では“『愛がなんだ』のオトナ版”という声も多く上がっているこの夏の注目作だ。
主演を務めた柄本佑は、この夏の大ヒット映画『アルキメデスの大戦』で、その高い演技力が再評価され、今年の賞レースにも早くも期待がかかり、一方、瀧内公美は、TBSドラマ「凪のお暇」でマウント女子・足立心役を演じ一躍注目を集めている。

トークイベントレポート

火口のふたり
瀧内公美/野村由芽

男子禁制 – 女性だらけの夜。

月曜の夜にも関わらず、女性で埋め尽くされた会場の温かい拍手に迎えられ瀧内が入場。
公開1週間で各地の劇場で満席が続出している本作だが、瀧内は「友人達から満席で入れなかったという声が届きました。」と公開後に届いた嬉しい反応を明かし、トークイベントがスタート。

瀧内が演じた直子の女性像をどのように捉え、役作りしたかを野村に問われ、「最初に思ったのは賢ちゃん(柄本佑演じる主人公・賢治)の事が本当に好きだったんだろうなと感じました。うわべでは気持ちを隠して生活しているけど、自分をすべてさらけ出すことができた賢ちゃんを好きな気持ちが心の奥に潜んでいるキャラクターだと思いました。」と自身で分析した直子の女性像を明かす。

柄本佑の秋田弁にドハマリ

撮影の際の思い出話が及ぶと、話題は賢ちゃんを演じた柄本佑の秋田弁へ。
「柄本さんの秋田弁を何回聞いても笑いが止まらない状態になってしまいました。柄本さんが必死に練習なさっている姿も見ていたのですが、どんな風に演じられるのか想像がつかなくて、でも、いざ本番で見るとどうしても笑ってしまって、それが衝撃的な思い出になりました。」と語り、クオリティの高さがSNSでも話題になっている柄本の秋田弁にドハマリした事を明かし、会場を沸かした。

“実は笑える映画だと、自信を持って言えます!”

また、野村が「たったふたりだけで、色々な営みを描いているので、もっと過激な物を想像される方もいると思いますが、切実さはありながらもさっぱりしていて、生活の中の当たり前の営みを、ユーモアたっぷりに描かれていると思いました。」と語ると、瀧内も「私も出来上がった作品を最初に観たときには、滑稽なところが多くて結構笑えるな~と感じました。ポスタービジュアル等のイメージで堅い映画に思われるかもしれないですが、劇場で笑っているお客さんが多かったと聞ききますし、“これってコメディ映画だよね?”と言われる事もあるので、笑える作品だと今は自信を持って言えます!」と、コミカルさも評判を呼んでいる本作に太鼓判を押した。

女性の欲望や営みに対して。

本作は、直子が過去の情事を収めたアルバムを賢治に見せる事から物語が動き出すが、野村は直子が誠実に積極的に賢治に向かっていく姿が印象的だったと語る。
女性の欲望や営みに対してこの映画に出会って考え方に変化があったか?と問われ瀧内は、「作品のテーマでもある、本能のままに生きる事、自分の気持ちを大切にする事はとっても素敵だと感じました。“社会”の中で生きていくことは、制約が多く、自分を貫くのはとても大変ですが、強い気持ちを持ち続ければちゃんと結果で出るんだなと思いました。仕事をする上でも、気持ちの強さを持って続けていけば結果に繋がるんじゃないかと、改めて考えさせられました。」と作品から受けた影響を明かした。

心の奥底に隠しておきたい部分を描いている

満席が続き、席が取れず見たくても見れないという声もあがっており、多くの人の興味を引いている事に対して、瀧内は「ふたりしか出ていなくて“男と女”を描いた作品も多くないという点もあると思いますが、心の奥底に隠しておきたい部分を描いているからこそ、この物語が興味を持たれるのだと思います。」と自身の考えを語った。

小学生たちには何をしているか言えず・・・

最後には、観客とのQ&Aも実施され、撮影で印象に残ったシーンを聞かれた瀧内は、「路地の隙間で行為に及んでいる所を、小学生に覗かれる場面があるんですが、行為を小学生に見せるわけにも何をしているか教えるわけにもいかず、何が起きているのかわからないまま覗く演技をしなければならない小学生たちが、演技に苦労し、監督に怒られながら何回も撮りなおしをさせられていて、可哀そうだと思った事を思い出しました。」と語り再び会場を沸かせ、終始温かい雰囲気のまま本イベントは終了した。

火口のふたり
瀧内公美

『火口のふたり』は、新宿武蔵野館ほかにて大ヒット全国公開中。

映画『火口のふたり』

【イントロダクション】
直木賞作家・白石一文 初の映画化
身体の言い分に身を委ねる、男と女を描く<R18>衝撃作
原作は直木賞作家・白石一文氏による「火口のふたり」。二〇〇九年「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」で山本周五郎賞、一〇年「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞し、絶大な支持を得る著者の初の映画化となる。主演を務めたのは、『きみの鳥はうたえる』などなど、様々な映画で鮮烈な印象を残し第一線で活躍し続ける実力派俳優・柄本佑と、『彼女の人生は間違いじゃない』での演技が評価され、活躍の場を広げている新鋭・瀧内公美。出演者はこの2人のみ。監督はキネマ旬報脚本賞に5度輝き、数々の作品で男と女のエロティシズムを表現してきた脚本家・荒井晴彦。抑えきれない衝動の深みにはまり、どうしても離れられないふたりの姿は「世界が終わるとき、誰と何をして過ごすか?」という究極の問いを、観る者へ突きつける。身体の言い分に身を委ねる男と女の不確実な愛を描いた<R18>衝撃作が誕生した。

【物語】
十日後に結婚式を控えた直子は、故郷の秋田に帰省した昔の恋人・賢治と久しぶりの再会を果たす。
新しい生活のため片づけていた荷物の中から直子が取り出した1冊のアルバム。
そこには一糸纏わぬふたりの姿が、モノクロームの写真に映し出されていた。蘇ってくるのは、ただ欲望のままに生きていた青春の日々。
「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」
直子の婚約者が戻るまでの五日間。身体に刻まれた快楽の記憶と葛藤の果てに、ふたりが辿り着いた先は―。

出演:柄本 佑 瀧内公美 原作:白石一文「火口のふたり」(河出文庫刊)
脚本・監督:荒井晴彦 音楽:下田逸郎 製作:瀬井哲也 小西啓介 梅川治男 エグゼクティブプロデューサー:岡本東郎 森重 晃 プロデューサー:田辺隆史 行実 良
写真:野村佐紀子 絵:蜷川みほ タイトル:町口覚  配給:ファントム・フィルム  レイティング:R18+
公式HP:http://kakounofutari-movie.jp/

新宿武蔵野館ほかにて、大ヒット公開中