台風家族
市井昌秀監督/MEGUMI/草彅剛/甲田まひる

草彅剛主演映画『台風家族』。出演者の新井浩文の事件の影響で、一時公開延期とはなるものの、公開を待ち望むファンの声をはじめ、各社協力のもと、3週間限定で公開決定となった。
そして8月31日、都内にて、映画公開記念、大ヒット祈念の初お披露目試写イベントが実施され、主演・草彅剛、MEGUMI、甲田まひる、市井昌秀監督が登壇。1年前に行われた撮影時の秘話、本作の魅力について語った(フォトギャラリー)。

映画『台風家族』は、9月6日(金)より、全国96館で公開。

舞台挨拶レポート(トークノーカット)

台風家族
市井昌秀監督/MEGUMI/草彅剛/甲田まひる

最初のあいさつ。公開決定の喜び

草彅剛(長男:鈴木小鉄 役)
ほんとに紆余曲折あって、いろいろあって延期になって、ようやく公開にたどり着くことができまして、これも皆さんの応援のおかげだと思います。ほんとに感謝しています。
普通に映画は公開されるのが当たり前だと思っていたんですけど、自分がこういうことになって、ほんとに何事もなく公開できる映画っていうのは幸せなんだなぁって、ほんとに思っています。
少しでも皆さんに何か伝わればいいかなと思っています。いろいろなデリケートな問題はあると思うんですが、昨年の夏に僕たちが懸けた情熱というものは、何か皆さんの心に触れるものがあると思いますので、是非とも楽しんでごらんください。

台風家族
草彅剛

MEGUMI(長女:鈴木麗奈 役)
草彅さんもおっしゃったとおり、いろんなことがありましたが、今日を迎えられてほんとに嬉しく思っています。

台風家族
MEGUMI

甲田まひる(小鉄の娘:鈴木ユズキ 役)
初めまして。甲田まひるです。ついに今日が初めてのお披露目ということですごいドキドキしているんですけど、短い時間ですが楽しんで帰っていただけたらと思います。よろしくお願いします。

台風家族
甲田まひる

市井昌秀監督
映画は観客の皆さんに届いて初めて完成だと思いますので、今日のような日を迎えられて大変嬉しく思っています。
映画はもちろん、大勢のスタッフやキャストで作っているんですけど、それだけじゃなくて、心から待っていただいて応援してくれた方々のおかげでこの場にいると思っていますので、ほんとにありがとうございます。
草彅さんもおっしゃってましたけど、公開することが当たり前だと思っていたことが、それすら実は奇跡的なことなんだと思っているので、ほんとにありがたいです。

台風家族
市井昌秀監督

言いたくないけど、ホント暑かった!!

– 撮影期間は昨年の6月末から7月中旬まででしたが、ほんとうに暑い夏で、撮影セットの日本家屋はエアコンを止めての撮影でしたので、皆さん、汗だくだったと思います。ちなみに栃木の最高気温を記録した夏でもありました。草彅さん、改めて撮影現場を振り返っていかがですか?

草彅剛
ほんと暑くて、よく撮影の時にインタビューとかで「いやぁ、あの撮影は暑かったんですよ」っていうのはよくあるパターンじゃないですか。だからあんまり言いたくないんです。だけど、ほんっとに暑かったんで、どうしても言ってしまうんですよ。
この『台風家族』の取材をいろいろ受けさせてもらって、それを絶対に言わないと思いつつも、絶対そこにたどり着いちゃうくらいほんとに暑くて。あの、言いたくないんですよ、暑いって。
(会場笑)
スタッフもキャストも熱中症にならなかったのは奇跡だ!というくらい。
でもね、MEGUMIちゃんは熱中症になってたんじゃないかって思ってんの。

MEGUMI
確かに。これはもうダメだと思った(笑)

台風家族

暑さがチームワークに繋がった

草彅剛
でね、アイスとかで皆んなで冷やして。暑くて(撮影を)待っている間、会話ができないんだけど、その暑さによって、冷たいものを渡し合ったりチームワークが本当に家族のようになった作品なので・・・。
監督!なんであんなとこでロケしたんですか? むっちゃ暑かったですよ。僕ね、今までの撮影で一番暑かったです。
僕、暑いって言いたくないんですよ。ほんとに。よくあるパターンじゃないですか。寒いとか暑いって。
だって、誰だって寒い中、暑い中頑張ってんだって話なんで。言いたくないんですそれ。でも言っちゃうの。
(会場笑)

市井昌秀監督
汗もホンモノです(笑)

草彅剛
でしょ。でもね、(こっちは暑くて)早く帰りたいのに監督は「ここはこうじゃない、あぁじゃない」って言ってこだわるんですよ。
でもその暑さが僕らのチームワークを育ててくれたかなとは思っています。

– 私も撮影現場に伺ってたんですけど、家屋の温度計は39度を示してました。

草彅剛
でもそういうのはあんまり言いたくないんですよ。
(会場笑)
よくあるじゃないですか。撮影秘話とかで。
でも山の中では寒くてさ。ストーブ焚いてんの。なんなのあれ?真夏なのにストーブなんて。暑いか寒いか極端でしたね。
(会場笑)

– その暑さのおかげか、撮影現場のチームワークはすごく良かったと伺っています。

MEGUMI
そうですね。私もホント言いたくないんですけど、暑かったから、皆んなで助けあったり支えあったり、苦しいとか言わないでなんとか楽しく今の時間を過ごすっていう。人と人の繋がり合いがギュイーンってなったので、仲が良いっていうよりもほんとに家族のような、ほんとにそういう空気感になって、私と草彅さんは日帰りで毎日通っていたんですけど、他の皆んなは泊まっていたので、Mappy(甲田まひる)とか釣りに行ったりとかね、すごく兄弟感というか家族感みたいな感じで、こんなに共演者と近くなるっていう現場は今まであんまりなかったなぁと今になってすごく思っています。

映画初出演、甲田まひるの眼力

– 甲田さんに伺います。映画初出演で舞台挨拶も今回が初めてということで、それも踏まえて撮影現場のお話もお聞かせ下さい。

甲田まひる
映画の撮影自体も、こういう場に立つのも初めてなんですけど、今、すごい緊張しています。
最初の撮影は、尾野(真千子)さんと草彅さんとの車のシーンで、そこで初めてお会いして、でもその日からすごいいろいろお話をしていただいて。

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甲田まひる

草彅剛
そうだったね。まひるちゃん、すごいピアノが上手くて、ジャズってるんですよ。
(会場笑)
MEGUちゃんもジャズってて、すごい仲が良くて。役どころもね、近いところがあったりして。
でもまひるちゃん、初めての演技だったんですけど、監督がやっぱり一番ね、ユズキちゃんの目にすごいこだわって、アップがめちゃめちゃ力強くて。その眼力(めぢから)によって、小鉄とか、けっこう翻弄されていくんですよ。自分の娘の“目”によって。
この作品は、ユズキちゃんの“目”にかかっていると思うんです。
そのユズキの目に、僕ら家族のすべてが映し出されている。そういう目を彼女はしていて、すごい澄んで綺麗な目なんですけど、奥深い瞳をしていて、そういうユズキがすごい素敵でした。

甲田まひる
ありがとうございます。

草彅剛
そこに監督はこだわって、暑い中、何度も何度もやるわけですよ。
「もういいじゃないか。今のでOKでいいだろ。もう暑いんだから帰ろうぜ!」って、俺、隠れてプロデューサーに言いましたよ。
(会場笑)
なのに監督は「今のは違う、この目じゃない。」ってこだわって。
でも、出来上がった作品を見たら、監督が真摯にまじめに取り組んでいたワンカットというのがものすごく映画に出ていると思います。

草彅剛

映画の構想は12年前。そして監督の家族との共通点。

– オリジナル長編映画として、12年前の構想から今回に至るまでのお気持ちについて改めてお聞かせ下さい。

市井昌秀監督
12年前に家族の映画を作りたいと思って。
両親が葬儀屋を経営しているという設定もあり、当時は実際に葬儀屋でバイトしていたんですけど、その時の思いが実際に映画になったんだと思うと感慨深くて、ものすごく嬉しいです。

– 脚本には監督のご家族のことが投影されていると伺っていますが、具体的には劇中の鈴木家とどんな共通点があるのでしょうか?

市井昌秀監督
僕が小学生の時、4人家族だったんですけど、あまり仲が良くなかったんです。
その頃、住んでいた富山に台風がやってきて、車庫が吹っ飛びまして、電線に絡まって停電になったんですね。
ちょっと不謹慎な話ですけど、子どもだった私は、台風が過ぎ去った後の停電の真夜中に外に出て、あまりに非現実的な世界になっていたので、つい、はしゃいじゃったんですよ。
そしたら、不仲だった家族4人がなんとなくテンションが上って距離感が縮まったことを、僕はすごく鮮明に覚えていて。
それで、家族を描く時はモチーフで台風を使いたいって思うようになりました。
映画の中には実際にそういうシーンは無いんですけど、それに近い感慨を撮影中に受けました。それが共通していることです。

– 主人公の小鉄と監督の共通点もありますか?

市井昌秀監督
はい、正直僕自身、小狡かったりいろいろあると思うので、そういった部分は。
でも、小鉄だけでなく、いろんな人物に投影されていると思っていて、家族じゃない登場人物もいるんですけど、僕はみんな愛おしいなと思います。

– 小鉄と監督が似ているなと思ったことはありますか?

草彅剛
そうですね。やっぱり監督が(脚本を)書いたものなので、どこか監督自身のエピソードだったりとか、それぞれのキャラクターの個性に監督が出ていると思いますね。

– 草彅さんご自身と小鉄はいかがでしょうか?

草彅剛
どうですかね。僕が今までやった役の中でも一番クズでどうしようもない役だなって思っていて、それが面白いなって思って。
といっても、途中で折れるんじゃないかなっていうタイミングでも(小鉄は)ものすごいしつこくて、最後までネチネチしているので、ここまでしつこい役はやったことがないので、僕だったらもうちょっと先に諦めちゃうなとか。
逆に言うとそこまでこだわっている小鉄はすごい人だなって思ったりとか、そのしつこさが最後は尊敬に変わるような。
とにかくしつこくてどうしようもない人でした。

台風家族

各キャラクターの裏設定。妹の下着をブルセラに!

– 撮影前に監督からそれぞれのキャラクターの裏設定として履歴書のようなものを受け取ったと聞いているんですけど、演じられた麗奈役の面白い裏設定はありましたか?

MEGUMI
弟に対して思っていることとか、こういう食べ物が好きとか、細かく書いてあるものを頂いたんですけど、私自身一人っ子なので、年下に対して優しくするとか可愛いなって思う感覚っていうのはあったんですが、お兄ちゃんがクズだっていう感覚があんまりわからなくて、草彅さんとしか思えないのかなぁって思ってたんです。

草彅剛
ほんと?ありがとうございます(笑)

MEGUMI
で、その中に「えっ?これは相当クズだな」って感情が動いたのが、麗奈が12歳の時にお兄ちゃんが麗奈が履いていた下着をブルセラに売ったって書いてたこと。よくそんなことを監督は思いつくなって(笑)

– 監督、どんな風に思いついたんでしょうか?

市井昌秀監督
それは実体験ではなくて(笑)、妄想です。

– 草彅さんは裏設定は小鉄の役作りの参考になりましたか?

草彅剛
いや、今初めて聞いたんで。僕のところには書かれてなかった・・・書いてあったっけ?
僕それはあんまり読んでないからね(笑)読んでないのがバレたな(笑)

台風家族

芝居とは本人が持っているエネルギーが大切

– ファッショニスタ、ジャズピアニストとして活躍されている甲田さん。メディア向け試写でご覧になった方から、普段の甲田さんとのギャップがすごいという感想がありました。初めての演技でどんなところに気をつけてユズキを演じられましたか?

甲田まひる
音楽と演技、表現の部分では、そんなに違ったものではないなって思いました。
役なんですけど、台本をいただいて読んでいる時からユズキに共感するところがすごく多くて、親に対する思いだったりとか、年齢が同じというのもあるんですけど。なのですごい自然に演じることができたなって思います。

– 草彅さんは甲田さんとご一緒されていかがですか?

草彅剛
お芝居って、技術とかそういうものじゃなくて、本人の持っているエネルギーがいちばん伝わるものだってことが、まひるちゃんから教えてもらいました。
監督が、それぞれの自分の中から湧き出てくる小鉄、麗奈、ユズキ、そういうものがやっぱりないと、ぜんぜんつまんないものになってしまうというお話を、暑い中(笑)、されました。
それがすごく皆んなに響いていて。そういった意味で、まひるちゃんは初めての演技なんですけど、経験を重ねればいいっていうものじゃなくて、そこに宿っている生命力とパワーみたいなのがすごくいいですね。
それはまひるちゃんだけじゃなくて、この映画に出ている皆んなが、昨年の夏、すべて放出している感じがこの映画の魅力です。

– そこは監督がこだわった点でしょうか?

市井昌秀監督
なんとなく(役という)着ぐるみに入って演じるっていうより、やっぱり本人が生きてないとっていうのが僕はすごい大事だと思っています。
あと、まーひー(甲田まひる)は、会った瞬間に「あ、ユズキが来た」って思ったし。眼力がすごいし。

甲田まひる
ほんとですか?

市井昌秀監督
ホント、草彅さんには悪いんですけど、まひるちゃんが主人公なんじゃないかって思うくらい。

草彅剛
そ、そうですか?
(会場笑)
いやでも、おっしゃっていることはわかります。まひるの眼力が物語を動かしています。

– そういう監督の粘りの演出はいかがでしたか?

MEGUMI
自分で「今の感じで良かったんじゃないかな」って思っても、監督は「今のはセリフで自分の言葉じゃない」って、何度も何度もしつこく求めてくださいましたね。

草彅剛
監督はまばたきもしないでずっとモニターを見ているんですよ。なので目が充血しちゃって。
なんでそんなに目が赤いのかなって思うくらい。
で、「今日も目が赤いですね」って言ったら、監督が「昨日飲みすぎた」って(笑)
そういうつかみどろが無い監督で。
でも、結局全員が監督に巻き込まれて、ほんとに台風の目のような人です。
最後はもう監督のために全員頑張ろう!みたいな。
出来上がった作品を見て、こういうことだったんだってのが多くて。撮影中はこの映画大丈夫かな?って思いながらやってましたからね(笑)
でも大丈夫でした。とても伝わるものができたと思います。

これから映画を観る方にメッセージ

市井昌秀監督
欲望むき出しの映画になっていまして、人間の煩悩の数は108なんですけど、108分の映画になっています。
108分間、是非じっくり楽しんでご覧になって下さい。

草彅剛
ほんとに何度も言いますが、公開できることにすごく幸せを感じています。お蔵入りになることが一番悲しいことなので。
これは皆さんの応援のおかげで公開にたどり着けたので、ほんとに感謝しています。
とても面白い映画で、声を出して笑うところもたくさんあるので、劇場に足を運んでくださる皆さんは、ほんとに大声で笑っていただきたいなと思います。
そして最後に温かい感情が押し寄せてくると思うので、皆さん、劇場から温かいものを持って帰ってほしいです。
『台風家族』、よろしくお願いします。

台風家族

フォトギャラリー

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市井昌秀監督
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市井昌秀監督

映画『台風家族』

出演:草彅 剛 MEGUMI 中村倫也 尾野真千子
若葉竜也/甲田まひる 長内映里香 相島一之 斉藤暁/榊原るみ・藤竜也
監督・脚本:市井昌秀
主題歌:フラワーカンパニーズ「西陽」(チキン・スキン・レコード) 音楽:スパム春日井
製作:木下グループ 配給・制作:キノフィルムズ
©2019「台風家族」フィルムパートナーズ PG-12
公式サイト:http://taifu-kazoku.com/

予告編

9月6日(金)TOHOシネマズ他 全国ロードショー

場面写真カット

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