累計発行部数300万部を記録する人気コミックを原作とした、映画『惡の華』(9月27日(金)全国公開)の最速試写会が7月30日、都内にて行われ、原作の押見修造先生と、井口昇監督が舞台挨拶を行った。本作に登場する仲村佐和の「クソムシが」というセリフは、実は押見先生が妻から言われた言葉がきっかけなど、貴重な作品ルーツが明かされた。
井口昇監督/押見修造(原作)

映画『惡の華』舞台挨拶付き最速試写会

累計発行部数300万部を記録する人気コミックを原作とした、映画『惡の華』(9月27日(金)全国公開)の最速試写会が7月30日、都内にて行われ、原作の押見修造先生と、井口昇監督が舞台挨拶を行った。本作に登場する仲村佐和の「クソムシが」というセリフは、実は押見先生が妻から言われた言葉がきっかけなど、貴重な作品ルーツが明かされた。

惡の華

仲村佐和演じる玉城ティナに恋した

原作・押見先生は、映画『惡の華』を観た直後、井口監督に「仲村さんバッチリです!」と言ったという。
この日の舞台挨拶でも押見先生は「一観客として映画を観てしまって、仲村さんを好きとしか言いようがない、恋をした気持ちになりました。」と語った。
それに対して井口監督が「今度、玉城ティナさんとお会いしたら?」と尋ねると、「もう、そういうふうにしか見れない(笑)目が見れない(笑)」と押見先生はテレながら答えた。

惡の華
押見修造(原作者)

井口監督による映画化は、原作・押見先生のオファー

本作の監督を是非井口監督にとオファーしたのは原作・押見先生。きっかけは、井口監督が、7年ほど前、まだ連載中だった原作漫画を読んで衝撃と感動を受け、知り合いの編集者経由で押見先生と出会ったこと。
「今までマンガを読んでも面白いけど感情移入するまではいかなかったけど、惡の華を読んだ時は酸素のように身体の中に入ってきた。」と語る井口監督と、押見先生はそれ以来メル友になり、連絡を取り合ううちに、押見先生からも是非井口監督にお願いしますという話になったそうだ。

惡の華
井口昇監督

カットシーンの復活やセリフの注文も。

本作を撮影するにあたって、たとえば、秋田汐梨演じる佐伯奈々子のセリフが台本上では標準語だったのを方言にしてほしいとか、一度カットされた仲村佐和(玉城ティナ)と佐伯奈々子のシーンの復活など、原作者として押見先生は井口監督に注文したという。
それを受けて井口監督は「佐伯さんのセリフが方言であるべきだというのもその通りだと思ったし、復活させたシーンも完成品を観たら絶対にあった方がいいと思った。」と、押見先生に感謝していた。

中学生時代だけでなく高校生時代も描いた本作

惡の華
井口昇監督/押見修造(原作)

井口監督
「惡の華」は、思春期からの脱出という作品のテーマなので、映画でも、中学生編だけでなく、高校生編も作品に含めています。そうしないと作品として成立しないと思ったので。

押見先生
はい。「惡の華」は、美しい破滅を描くだけ(=中学生時代だけ)だと無責任だと私も思っていて、その先を描いて、どうしたら生きていくことができるかというところまで描きたいと思った作品なんです。

井口監督
映画では2時間という枠があるので、原作の時系列そのままではなく、中学生時代と高校生時代、過去と現在の時間を行ったり来たりという構成にさせてもらいました。

押見先生
春日がかつて見たもの(中学生時代)と今(高校生時代)を、春日の視点で描いた映画かなと思いました。そこがとても嬉しくて素晴らしいと思いました。

井口監督
「惡の華」の原作ファンの皆さんが100人いればそれぞれの「惡の華」があると思いますが、私としてはできるかぎり原作に忠実に映画化したつもりです。
押見先生の原作のコマ割りまで意識して映像化しました。
この作品は一人でも多くの方にご覧いただきたいと思っています。

“クソムシ”の原典

この日の舞台挨拶では客席からの質問も。中学生の頃から「惡の華」を愛読していたという2人の観客から次のような質疑があった。

– “クソムシ”というセリフはどこからでしょうか?

押見先生
クソムシと言ったのは僕の妻です。夫婦喧嘩して、僕が泣きながら裸足で外に飛び出して。
そしたら妻から「おまえ、どこ行ってんだよ、いい歳して裸足で飛び出すとかなんのアピールなんだよ。クソムシが。」メールが来たんです。それを作品に使いました。
“クソムシ”“ウンチ人間”は、妻の言葉からです。「惡の華」に登場する常磐さんと仲村さんは、妻の側面のひとつでもあります。

– 「惡の華」の作品背景は、先生のどういう思いから?

押見先生
「惡の華」は僕の“精神的な自伝”だと思っています。でも作品に描かれていることを実際にできるわけでもない中、どうやってその世界に行けるかと思っている中、妻に作文を書かされたんです。
作文を書くことによって、自分が思っていることのエッセンスを物語にすることができて、そのおかげで私は漫画家になる道が出てきたと思っています。
なので、この作品のテーマそのもののことについて感想をいただいたりするとすごく嬉しいです。

惡の華

映画『惡の華』

【ストーリ―】
あの夏、僕は仲村さんと出会い、リビドーに目覚めた。
山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった・・・。
仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。
そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた頃、2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう・・・

伊藤健太郎 玉城ティナ 秋田汐梨 / 飯豊まりえ
北川美穂 佐久本宝 田中偉登 松本若菜 黒沢あすか
高橋和也 佐々木すみ江 坂井真紀 鶴見辰吾

原作:押見修造「惡の華」(講談社『別冊少年マガジン』所載)
監督:井口昇  脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」
製作:『惡の華』製作委員会(ハピネット ひかりTV ファントム・フィルム 角川大映スタジオ 日活)
配給・宣伝:ファントム・フィルム
©押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会
公式サイト:akunohana-movie.jp
公式Twitter:@akunohana_movie

予告編

9月27日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

惡の華
『惡の華』本ビジュアル