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星屑の町

「のん」の女優・歌手としての魅力を存分に満喫できる作品間違いなし。映画『星屑の町』撮影現場レポート

劇作家・演出家の水谷龍二とラサール石井、小宮孝泰が「笑ってホロリとする作品」を作ることを目指し結成したユニット「星屑の会」によって平成6年に第1作が上演されて以来、25年間愛され続けてシリーズ7作品にも及ぶ大人気舞台「星屑の町」。地方回りの売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の悲哀を描く舞台シリーズが、映画化されることに。
ベテラン俳優陣で完成されたシリーズに、新たに飛び込んだのは、女優・のん。2019年5月に行われたロケ現場の取材レポートをお届けする。

“昭和歌謡”の世界観を体現する「のん」

5月17日。ロケ現場は、東京台東区鶯谷の「新世紀」というダンスホール。映画『Shall We ダンス?』の舞台モデルとなったことでも有名で、一歩建物の中に入ると、昭和歌謡の世界へタイムスリップしたような錯覚をも覚える、ノスタルジックさが素敵な内装だ。
この日は、「ムード歌謡ショー」と題したステージの撮影で、まずは「斬波」という4人組若手男性グループのステージ撮影。
「斬波」は、実在するグループで、彼らのプロフィールによると、70~80年代を彩った昭和の演歌・歌謡曲の名曲カバーと、 斬新なアプローチで構築された斬波オリジナルの「サウンド&ダンス」を持ち前とする。

星屑の町

(C)2020映画『星屑の町』製作委員会

そしていよいよ、「のん」の撮影シーン。
ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲、でんでん、有薗芳記ら、ハローナイツのメンバーをバックに、これまた、彼女以上に昭和歌謡のファッションが似合う現代若手女優はいないのでは?と思わず唸らせる出で立ちだ。
それもそのはず、のんは、今年、日本ファッション界の先駆者・中原淳⼀の世界観を表現したカレンダーを発売しているが、それは、昭和初期に少女雑誌の人気画家として⼀世を風靡し、今なお愛され続けいてる中原淳⼀とのコラボで、中原淳⼀デザインによる洋服をのんが着用し、その世界観を表現したものだ。
ハローナイツの前に、メインボーカルとして立つのんは、まさにその世界観を彷彿とさせる。
杉山監督によると、のんのカラフルな衣装は、彼女の出演が決まってから変わったものだそうで、シックスティーズ・ルック(60年代ルック)、『アメリカン・グラフィティ』の世界観を意識しているという。

これまで待機していたエキストラもステージ前に集まり、のんも入念に振り付けの確認を何度も行う。
唄は「シャボン玉」。事前収録されていたオリジナル楽曲で、曲名の通りの昭和歌謡な曲調と、のんの歌声がこれまたピッタリだ。
のんへのオファーの大きな要因は彼女の歌手活動だと杉山監督は語っていたが、のんは自身のレーベル「KAIWA(RE)CORD」でオリジナル楽曲をリリースしている。ただし、それらのほとんどはロック調の曲なので、『星屑の町』ではのんの新たな歌手としての可能性を感じさせた。
このステージの撮影では、先に出演を終えた「斬波」の4人と、のんがステージ袖ですれ違うシーンもあり、のんが斬波メンバーに向かって「ありがとうございます!」とセリフを発していた。

星屑の町

(C)2020映画『星屑の町』製作委員会

この日の撮影は、のんは次々と衣装を変える。ステージシーンの後は、ダンスフロア真ん中のお立ち台にのんが立ち、ピンキーとキラーズの楽曲「恋の季節」の歌唱シーンの撮影。歌うのんを囲み、ユラユラと踊るエキストラたち。そして、撮影カメラものんの周りをグルグルと回る。完成シーンがとても楽しみだ。
そして最後にもう一度ステージシーンの撮影。今度はウェーブヘアーでアグレッシブなドレスに着替えたのんは、本作の重要となるシーンの撮影に挑んだ。

NB Press Onlineが取材させてもらったこの日のロケだけでも、のんの、次々と変わる衣装、歌、踊り、そしてもちろん芝居と、見どころたっぷりで、のんの魅力を満喫できる映画になりそうだとの大いなる期待を感じた。
それを、本作配給の東映ビデオの担当者に伝えると、「のんさんファンは、絶対にこの映画を観てほしい」と語っていた。

のんが女優の顔に変わる瞬間。

のんが芝居をする。もちろん、彼女は女優なので当然だが、実写映画という“舞台”で、しかも、本作は芝居だけでなく、歌あり、踊りありと、事前に会得しておくべきことはてんこ盛りの内容だ。ミュージシャンとして、CDリリースやライブ公演を直前に控えたこの時期、どう時間を工面して撮影に望んでいるのだろうと、彼女の努力とそのパワーに改めて驚きを感じた。
撮影待機中は、自分を納得させるように、セリフや振り付けなどを確認しているのん。そしていざ「本番!」の声がかかると、一気に表情が変わり、作品世界と一体化していく。「彼女は女優なので当然」と先ほど書いたが、頭でわかっていただけかもということを実感させられる瞬間だった。

「新世紀」での撮影が終わり、のんが、スタッフ・エキストラに御礼をし、会場の大きな拍手で送られ、スタッフが撤収作業を進める中、杉山泰一監督に、少しだけお話を伺うことができた。

のんはプレッシャーをバネに生き生きとやっている

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のんに演出指示をする杉山監督 (C)2020映画『星屑の町』製作委員会

– 杉山監督から見て、女優・のんさんはいかがですか?

杉山監督
彼女が演じる久間部愛は、純粋な役柄で、のんさんは役作りをしてくれています。踊りもあり、芝居もしないといけないので、本人自身はすごくプレッシャーもある中、それを乗り越えて、よく頑張ってくれていると思います。
そして、一番はやっぱり、ハローナイツのベテランのメンバーたちに囲まれてやっていくということ。(長い舞台シリーズの中で)ベテランの皆さんの芝居が完成しているところに、自分が飛び込まないといけないというのが一番プレッシャーだったと思います。
でも、のんさんはそこは逆にバネにして、すごく生き生きとやってくれています。

– 監督がのんさんに指示されたことはありますか?

杉山監督
僕は、現場でリハーサルを重ねてやるというよりは、思い切ってその現場に踏み込んできて、自分で思いっきりそのパフォーマンスを最初に見せてほしい。だから思い切ってやってくれという話は最初にしました。

– ありがとうございます。作品の完成・公開を楽しみにしています。

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(C)2020映画『星屑の町』製作委員会

映画『星屑の町』

【あらすじ】
「山田修とハローナイツ」。大手レコード会社の社員だった山田修(小宮孝泰)をリーダーに、歌好きの飲み仲間、市村敏樹(ラサール石井)と込山晃(渡辺哲)、青木五郎(有薗芳記)をコーラスに、大阪ミナミでくすぶっていた歌手の天野真吾(大平サブロー)をボーカルに迎えてスタート。途中から参加した西一夫(でんでん)は、ハローナイツの借金を肩代わりするのを条件に、博多の焼き鳥屋を女房にまかせてメンバーになった。
そんなメンバーで十数年やって来たのだが、これといったヒット曲もなく、ベテラン女性歌手・キティ岩城(戸田恵子)等と地方
を回りながら、何とか細々と活動を続けている。
そんなある日、山田修の生まれ故郷・東北の田舎町に青年団の誘いに乗って、山田修とハローナイツがやって来る。
そこには修と遺恨を残す弟の英二(菅原大吉)が待っていた。
英二の息子の幼馴染の愛(のん)は、スナックを経営する母を手伝いながら、歌手になることを夢見る田舎娘。「ハローナイツに入れて欲しい」と直訴してきた愛に酔っ払った市村が適当な返事をした事から、その気になった愛が駆けつけてきて、小学校の体育館に作られたステージ会場は大騒動に発展する・・・。

【作品情報】
原作・脚本:水谷龍二
監督:杉山泰一(映画『の・ようなもの のようなもの』、 ドラマ「相棒」他)
キャスト:大平サブロー ラサール石井 小宮孝泰 渡辺哲 でんでん 有薗芳記
菅原大吉 /のん /戸田恵子
製作:映画『星屑の町』製作委員会(幹事会社:メディアプルポ、ヒコーキ・フィルムズ)
配給:東映ビデオ
【公式 Twitter】@hoshikuzu_movie
©2020映画『星屑の町』製作委員会

2020年 劇場公開

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