手島実優
群馬県出身の女優・手島実優

6月8日、文化シャッターBXホール(東京都文京区)で開催されている「東京シネマサロン VOL.3」で『地方映画連携プロジェクト・シネマサーキット』が行われた。これは、地方映画祭が連携し地域を超えて映画を応援するプロジェクト。地方映画祭から生まれた映画を観て、映画、映画祭、地方を語るイベントだ。地方映画祭は街おこしのためだけのものなのか?という観点でもさまざまな意見が語られた。

本プロジェクトでピックアップされた映画祭は「高崎映画祭」「ええじゃないか とよはし映画祭」「なすしおばら映画祭(今年秋開催予定)」「さぬき映画祭」といった4つの映画祭。
本広克行監督が大林宣彦監督の言葉を借りて、地方での映画祭開催の意義を語った他、高崎映画祭発の映画「高崎物語~夏~」からのゲストトークとして、主演の手島実優(群馬県前橋市出身)が登壇した。

映画祭の作り方

『映画祭の作り方』と題したイベントに登壇した本広克行監督は、大林監督がさぬき映画祭のゲストとして登壇した時の「映画祭はね、映画を集めるわけじゃなく、人を集めることなんですよ」という発言を紹介しつつ、映画祭の意義について、次のように語った。
「(地方での映画祭開催について)“町おこし”のひとことにはしたくありませんが、地方で消えゆく映画館は多く、映画人として、映画ファンを集め、増やす、そのきっかけが映画祭開催の意味である…と捉えています。」

高崎映画祭の場合

群馬県を活動拠点とする女優・手島実優トークイベント

高崎物語~夏~
志尾睦子P/手島実優/岡田義徳

群馬県高崎市は、“映画の街”として官民あげて映画を応援している街。1987年に始まった「高崎映画祭」は2019年3月で33回目を迎え、地方の映画文化の活性化に寄与している典型だ。
その群馬県出身で、今も群馬県を活動拠点にしている、『カランコエの花』(2017)、『21世紀の女の子』(2018)に出演、今秋にはシネマ・ロサで特集企画も予定されている、今注目の女優、手島実優が今回の『地方映画連携プロジェクト・シネマサーキット』に招かれた。
この日に上映された手島実優の出演作は、高崎映画祭発の映画『高崎物語~夏~』(片元亮監督)。高崎市のPRとして製作された作品で、手島演じる小室裕(こむろゆう)が大学進学後に久しぶりに高崎へ帰省したところから始まるストーリー。
トークイベントに登壇したのは、本作品出演者の手島実優、岡田義徳、高崎映画祭プロデューサーの志尾睦子氏の3名。

『高崎物語~夏~』を製作するきっかけについて、志尾プロデューサーによると、当時、高崎を映画の街として、前面に押し出していく中で、映像という形でもアピールしたい、でも、単なるPR映像ではなく、映画という形に仕上げたいという提案を高崎市にし続けた結果、3年後、ようやく高崎市から前向きな打診があったという。
ちょうどそのタイミングで、市民がその土地の特色を活かして映画作りをする“まち映画”に出演している、群馬県を拠点として活動している女優・手島実優を知ることとなり、彼女の魅力に惚れ込んで出演のブッキングをすることになった。

『高崎物語~夏~』の主演を務めた手島は、自身の現状を振り返り、「お芝居を始めたのは10歳の時だけれども、お仕事として成り立ってきたのは2、3年前くらいからでした。」、「皆さんに私の出演作品を観ていただいて、“手島実優”という役者として知っていただいたのは、ここ1、2年くらいだと思います。」、「いろんなやりたいこととか目標が出てくるので、それに付いていってなんとか頑張っているところで、今が楽しい。」と語った。

手島実優
手島実優

岡田義徳との共演に関する感想を質問された手島は次のように語った。「ふたりで話すシーンを楽しいと思いました。」「ひとりでお芝居することももちろん楽しいんですけれども、一緒に演じたときに、ふたりのバックボーンが見えてくるというような、そんな初めての感覚がして、すごく楽しかった。」、「撮影中のカメラ位置と、それに応じた動き方の細かいアドバイスなども教えていただいて、勉強になりました。」

群馬県高崎市という“地方都市”での映画祭をきっかけに、ひとつの作品が生まれ、そこに出演する俳優の活動が広がる。そして、高崎市自体も映画文化が市民に根付いていく実例がこの日のトークイベントで語られた。

なお、映画『高崎物語 夏』は、高崎市の公式YouTubeアカウントにて公開されており視聴できる。

手島実優

東京シネマサロンとは

東京シネマサロンには「映画を観る、映画を学ぶ、映画を楽しむ。」というキャッチフレーズがつけられ、今回で3回目の開催。上映される映画を観るだけでなく、映画の制作陣の話を聴いて学ぶことができる。来場者は映画好きのファンだけでなく、映画製作に関わる監督をはじめとした制作陣や映画に出演する俳優・女優。また、映画製作を目指すひとたちが集まる。 “シネマサロン”という名の通り、映画に関わるひとたちが集まり語り合う社交的な場となっている。

[写真・取材:Ichigen Kaneda/Jun Sakurakoji]